闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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小説『犯人に告ぐ』雫井脩介

 第7回大藪春彦賞受賞作にして、豊川悦司主演で映画かもされたベストセラー小説。映画版を観たかったんだけど見逃したなぁと思っていたら、先日『日曜洋画劇場』で放送されてましたね。一応録画したけど、それもまだ観てない。
犯人に告ぐ犯人に告ぐ
雫井 脩介

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 雫井脩介氏の作品を読むのは初めて。名前は知っていましたが、プロフィールを読むと、いわゆる「新本格」の第一世代より二世代ぐらい若い。デビューしたのも2000年ですから、作家としてはかなり若手の部類でしょう。それでいて、この『犯人に告ぐ』を含めすでに二作品が映画化されているというのは、人気と実力の高さがうかがい知れるところ。
 
 相模原南署管内で男児誘拐事件が発生。捜査に当たった神奈川県警特殊犯係の管理官・巻島史彦は、犯人が指定した身代金受け渡し場所で怪しい人物を見つけるが、無線の声に気を取られた隙に見失ってしまう。翌朝、誘拐された男児が遺体となって発見され、犯人からは警察の失態をあざ笑うかのような声明文が届けられる。上層部から捜査失敗の責任を押し付けられた巻島は、釈明のための記者会見でも大失態を犯してしまう。
 ――6年後。川崎市内で、4人の男児が殺害された連続殺人事件から約1年が経とうとしていた。犯人は〈バッドマン〉と名乗り、自らを番組中で侮辱した人気アナウンサー、早津名奈に脅迫文を送るなど、世間の注目を集める事件だったが、その捜査は完全に行き詰まりを見せていた。状況を打開すべく、県警は事件の捜査責任者をテレビニュースに出演させるという、前代未聞の〈劇場型捜査〉に踏み切る。そしてこの捜査の責任者に選ばれたのが、、6年前の一件で左遷されていた巻島だった……。

 読んだ率直な感想をいうと、「なんかもったいない」ということ。さすがに賞も取って、映画化もされた作品だけによく書けてるし、面白いんだけれど、純粋に娯楽小説としての面白さを追求するのなら、もっと面白く出来そうな気がします。作中で描かれるいくつかのサブストーリーが、半端に未消化のまま置き去られているのが気になる。あるいは、非常に大きな存在感を持って描かれたり、やたら意味ありげな登場の仕方をする人物が、その存在感に見合った働きを最後までしないまま終わる。こういう部分は、作者の意図はわかりませんが、読み手からしたら、「ああ、とりあえず風呂敷は広げたけど、回収できなかったのね」という気がしてしまいます。そういうのって、もったいないと思う。

 娯楽小説というのは、「ありえないこと」を如何に「ありそう」に感じさせられるかというのがポイントです。、そのために「ディテールのリアルさを徹底的に突き詰める」という手が取られるわけですが、この作品は、なんかディテールが甘い。〈劇場型捜査〉という飛躍したフィクションに現実味を持たせるためには、TV局の番組制作やニュース報道の内幕、大規模な捜査本部が行う捜査の手法などのディテールに説得力が欲しいところですが、その辺が微妙。いまどき、人気のあるニュース番組ならもうちょっと上等な造りじゃない?という感じがします。

 と、批判的なことばかり書いてますが、基本は面白いし、よく出来た作品だと思います。むしろ、基本のストーリーや発想が面白いだけに、もったいない部分、「ここをこうしたらもっと良かったのに」というところが気になってしまうということで。
 警察小説というジャンルは普段ほとんど読まないですが、この作品は文章は読みやすく、だけどストーリーはしっかり骨があってなかなか読み甲斐がありました。こうなるとまた、他の雫井作品も読まねばならぬという気がしてきますが、その前にまず、『犯人に告ぐ』の映画版を見ないと。話はそれから、ね。
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comments(0)|trackback(0)|読書|2008-12-01_02:40|page top

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行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
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