いよいよ、新相棒の登場!亀山薫の退職以降、右京さんひとりで引っ張りに引っ張って、ファンにとってはじらしにじらされた格好ですが、あらたに登場する神戸尊とは、どんな男なのか?
なんだか懐かしい感じがしましたね、今回の『相棒』。前回の陣川とのやりとりでも少し片鱗が見られましたが、プレシーズンのころのように、ツンツンした“変人”右京が復活。そしてそんな右京の変人ぶりと名探偵ぶりを、“相棒”神戸の目線を通じて描く。これもまた、初期の『相棒』のようじゃありませんか。
テレビ朝日『相棒 Season7』公式サイト そもそも初期の『相棒』は、“普通人”亀山薫が、“変人”杉下右京に翻弄されながら刑事として、人間として成長していく姿を描いた、“薫目線”のドラマでした。それが、シリーズが長期化するにつれて二人のチームワークがよくなり、あうんの呼吸が形成されてくると、薫は右京に振り回される必要がなくなり、したがって薫の成長とか、変化といったものも描かれなくなっていきます。そうなると必然的に、右京の天才的な頭脳が冴え渡るストーリーが多くなり、薫は右京の“手足”のように動くという描かれ方が多くなった。昨年の劇場版などはその典型でしょう。 それが、今回は勝手が違う。右京とは初対面となる新相棒・神戸尊とでは、当然あうんの呼吸はない。ノンキャリアながら“推薦組”として警察庁に引き上げられ、順調に出世街道を歩んでいた神戸は、自分の優秀さに自信があり、プライドも高いから、当然、右京とはそりが合いません。だから右京は、新たに特命係に配属され、部下となった神戸を、自身の“相棒”とは認めず、単独行動を貫こうとします。 しかし神戸は、特命係を存続させることがが警察にとって有益か否かをジャッジするという密命を帯びている。だから、勝手に行動する右京を追いかけ、極力一緒に行動し、観察しようとします。彼が劇中、右京に関する報告書のようなものを書き上げるシーンがありますが、これはこのドラマが、“右京の目線”で描かれるものから、“神戸の目線”で描かれるものへとシフトしたことを、如実に表しているといえるでしょう。Season3ぐらいか、それより後にファンになった人からすると違和感を感じるかもしれませんが、初期のSeason1とか、Pre seasonから見ている人にとっては、原点回帰、そして新たな『相棒』ワールドのスタートとして、かなり期待感を煽られたんじゃないでしょうか。 新相棒の神戸尊は、爽やかなイケメン青年で、高そうなスーツをスマートに着こなし、いかにもエリートらしく、自身に満ち溢れた物腰で人に接する。愛車は日産・GT-Rで、運転はかなり乱暴。右京に対しては、どんな小さな手がかりも徹底的に追及し、真相を解き明かしていく明晰な頭脳と執念深さに、感心しながらも半ば呆れているといったところでしょうか。今のところ一定の距離を置きながら観察している感じですが、今後のシリーズで二人の関係性がどのように変化していくのか、興味深いところではあります。 とにかく、Season8以降に大きな期待を持たせる新相棒の登場、そしてSeason7の最終回でしたね。今月末公開のスピンオフムービー『鑑識・米沢守の事件簿』への期待も相まって、ますます加速する『相棒』ワールドから、目が離せません。
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Theme:相棒
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