闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

カレンダー

03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

月別アーカイブ

検索フォーム

広告!

ブロとも申請フォーム

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
HP Directplus オンラインストア
comments(-)|trackback(-)|スポンサー広告|--------_--:--|page top

映画『ウォッチメン』

 ヒーローとは何か?正義とは、善悪とは、平和とは?
 映像化不可能と言われ続けた伝説的ビジュアル・ノベルの傑作を完全映画化した本作は、超人的な能力を持って悪と戦うヒーローたちを中心に据えながら、しかし今までのありきたりな「ヒーローもの」映画とは完全に一線を画している。芸術的で哲学的、それでいてマンガ的な……うーん、難解。
WATCHMEN ウォッチメン Official Film Guide (SHO-PRO BOOKS)WATCHMEN ウォッチメン Official Film Guide (SHO-PRO BOOKS)
富原まさ江

小学館集英社プロダクション 2009-02-28
売り上げランキング : 1321

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 時は1985年。一人のコメディアンが死んだ。――この「コメディアン」とは、「ウォッチメン」と呼ばれるヒーローグループのメンバーの名前なのだが――彼の死に疑問を持った男がいた。コメディアンと同じく、かつてウォッチメンのメンバーだった「ロールシャッハ」だ。何者かが「ヒーロー狩り」を行おうとしていると感じた彼は、ウォッチメンの元メンバーたちを訪ね、事件の真相を探り始める。おりしも時代は、ソ連がアフガニスタンへの進攻を始め、核戦争の危険度を示す「終末時計」は、11時55分を指す。人類滅亡の危機は、まさに目前に迫っていたのだった。

 映画『ウォッチメン』公式サイト
 
 いやいや、こいつは難しいよ。この映画を、優れた映画だと評する人もいるだろう。でも、エンターテインメントとしては、商品価値は低いよ(以下、一部ネタバレあり、未見の人は読まないでね)。

 ヒーローを描いた映画だけれど、登場人物はみな、およそヒーローらしくない。精神を病んでたり、中年太りだったり、暴力好きな野蛮人だったり、フリチンだったりする。で、彼らがなぜヒーローになったのかも、映画の中では明かされていない部分が多い。彼らは人並み外れた身体能力を持っているが、基本的には「普通の人」のようだ。そんな彼らが、なぜヒーローなのか。その辺がよく解らず、映画を見ていても少し引っかかった。
 もっとも、そのことはこの映画において、さして重要なことではないのも事実。この映画は、一人のヒーローの死をきっかけに動き出す「元ヒーロー」たちの心模様と、そして事件の裏にある大きな陰謀を描くことで、その奥にある「正義」とは何かを問うている。ヒーローの一人、ナイトオウルは、心優しく、暴力や悪意を純粋に憎む、まさに絵に描いたようなヒーローであるが、彼の正義感では、目前に迫った人類の危機、核戦争を回避できない。他方、別のヒーローは核戦争を回避するため、大きな犠牲を人々に強いる選択をする。大勢の命を救うために、少数の命を犠牲にすることが果たして正義なのか?その平和を守るため、人々を欺き続けることも正義なのだろうか?人々を欺くことで獲得した平和は、本当に価値あるものなのだろうか?
 人々の犠牲によって得られた平和を守るため、沈黙を決め込むヒーローたちに、一人抵抗するロールシャッハ。「俺は妥協しない。そこが俺とお前の違いだ」。ハードボイルドな生き様を貫くロールシャッハを待ち受ける悲劇。妥協せずに生きるという姿勢は、周囲との摩擦を生む。個人の正義は、時として公共の正義に反する。その結果招いた悲劇だ。
 あまたの尊い犠牲を払った末に、核戦争は回避され、世界は平和を獲得した。西側諸国と共産圏が手を取り合って歌を唄う、本当の平和を。

 個人的には、この結末にはあまり納得がいかないなぁ。現実にはあのような大きな犠牲を払わなくても、人類は核戦争を回避しえたのだから。もっとも、恒久平和はいまだ実現できていないけれど。もちろん、映画の世界においても、ラストで実現された平和が恒久的に維持される保証はない。事件の痛みが癒えたころ、再び世界がいがみ合い、憎しみあうこともあろう。そのとき、世界を救うヒーローはいるのだろうか。

 個人的には、「俺は妥協しない」と言い切った、ロールシャッハの姿がいちばん痺れた。妥協せずに生きる。カッコいいな。たとえ悲劇を招いても、イカレてると罵られても、妥協しない生き方はカッコいい。僕はそう思った。
ウォッチメンウォッチメン
ブダペスト・シンフォニー・オーケストラ

ワーナーミュージック・ジャパン 2009-03-25
売り上げランキング : 1637

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

WATCHMEN ウォッチメン(ケース付) (SHO-PRO BOOKS)WATCHMEN ウォッチメン(ケース付) (SHO-PRO BOOKS)
石川裕人、秋友克也、沖恭一郎、海法紀光

小学館集英社プロダクション 2009-02-28
売り上げランキング : 559
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

300〈スリーハンドレッド〉 [DVD]300〈スリーハンドレッド〉 [DVD]
フランク・ミラー

ワーナー・ホーム・ビデオ 2008-07-09
売り上げランキング : 15583
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

スポンサーサイト

Theme:洋画
Genre:映画

HP Directplus オンラインストア
comments(0)|trackback(5)|外国映画|2009-04-03_03:07|page top

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

「ウォッチメン」 風刺・比喩・象徴に富んだ異色ヒーローストーリー
しかし、よくぞこんなにカルトなファンが喜びそうな濃い作品を堂々と作ったなあ。 自
ウォッチメン
最近流行のアメコミの実写版。監督は『300<スリーハンドレッド>』のザック・スナイダー。ウォッチメンの面々(シャレじゃないョ。)それぞれがフィーチャーされているが、ストーリー展開の中心となるナイトオウル役に『パッセンジャーズ』のエリック役、パトリック・...
ウォッチメン
(原題:WATCHMEN) 【2009年・アメリカ】試写で鑑賞(★★★★☆) 「Vフォー・ヴェンデッタ」「フロム・ヘル」「リーグ・オブ・レジェンド:時空を超えた戦い」「怪人スワンプシング」など、手掛けるグラフィック・ノベルが数多く映画化されてきたアラン・ムーアが、1...
ウォッチメン
アメリカの同名グラフィック・ノベルを『300』のザック・スナイダー監督が 映画化。 数々の歴史的事件を陰で見守ってきた"ウォッチメン"と呼ばれたヒーロー達が 何者かに次々と消されていく事件が起き、その事件をウォッチメンの一人が 真相を追うが、そ..
ウォッチメン ★★★★★
ヒーローと言っていいものか一寸考えちゃうけど、自分の信念に対して決して揺らぐことがない者をヒーローと定義するなら、例え暴力的で精神に支障をきたしていたとしても、ロールシャッハという男は完全なるヒーローなんだと思った。 でも、そんなヒーローに理解ある私...

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

tamacat

Author:tamacat
行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
でもその“理”を支えているのは、実はすべて直感と思い込みだったりもする。そういう人。

参加ランキング

クリック感謝!

NetShop

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。