闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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映画『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ』

 このblogをずっと読んでくれてる方なら(そんな人居るとは思えませんが、もし居たら)お分かりだと思いますが、僕はエンタメ至上主義者です。純文学なんて興味ありません。映画でも、文芸的な作品はほとんど観ません。今までに観たのは『ぐるりのこと。』ぐらいでしょう。
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 まあしかし、慣れないことをするものではないですね。感想が書けないんだから。何をどう批評したらいいのか分からない。それでも書きます。書きたいと思うから。

 映画『ヴィヨンの妻』公式サイト
 
 太宰治の作品を、読んだことはありません。中学の教科書に『走れメロス』が載っていたので、もしかしたら読んでるかもしれませんが、よく覚えてない。そんなもんです。
 この作品は、『ヴィヨンの妻』という短編をベースとしながら、他にも様々な太宰作品のエッセンスを盛り込んだ作品だそうです。
 正直言って「すごく感動した」というわけでもなく、「面白かった」でもないのですが、かといってつまらなかったかといえばそうでもなく、不思議と心に残ってしまいました。観ているあいだもけっして夢中になって見入ったりはしないけれども、それでいて退屈で眠くなるようなこともなく、1時間54分の上映時間を長く感じたりもせずに、しっかり、きっちり観てしまった。なんだかとても、妙な心地です。

 酒びたりで放蕩三昧の生活をしている小説家・大谷と、彼を献身的に支え続ける妻・佐知の物語。大谷を演じた浅野忠信は、「大谷に共感しちゃいけないんだけど、なんか妙に共感してしまった」とテレビで語っていましたが、僕の場合、共感はしません。僕は死にたくないし、神様がいることを信じていませんから。ただ、共感はしないけれど、大谷が考えていること、感じていることはだいたい解る。それは僕の中に、大谷に似た要素は確実にあるからです。
 僕の場合は大谷みたいになりたくないし、放っておいたら大谷みたいになりかねないことを解っているから、そうならないように懸命に取り繕ってる。だけど大谷は、取り繕うことができなかった。それはもしかしたら、彼が小説家だったからかもしれません。彼はきっと、自分の内面をさらけ出すことによって小説を書いていたはずだから、取り繕いようがなかった。だから、どこまでも無様で、情けなく、だらしなく、弱々しく、それでいて我侭で身勝手に生きるしかなかったのでしょう。彼があの生き方をやめたなら、小説を書けなくなっていたかもしれません。

 「男には、不幸だけがあるんです。いつも恐怖と、戦ってばかりいるのです」
 それを言っちゃあ、身も蓋もないでしょう。でも、そんな身も蓋もない真実に、正面からしか向き合えない、それが大谷なんですね。大谷は紛れもなく、太宰自身をモデルにしたキャラクターですから、きっと太宰も、この身も蓋もない真実と、ひたすら向き合っていたのでしょう。
 「私たちは、生きていさえすればいいのよ」
 これも身も蓋もないですね。でもこれもそのとおりで、それ以上何もないし、それ以外何もいらないはず。だけど、それじゃ納得してくれない人が、この世にはたくさん居るんだもん。
 最終的に、救われたといえるのかどうか、微妙な結末。現実の太宰自身の末路を思うと、結局救われてなかったんだろうなぁ。「生きていさえすればいい」と自作に書きながら、それすらまっとうできなかった太宰。この映画のパンフレットによると、太宰は妻に宛てた遺書に「お前を誰よりも愛していました」と書いていたそうで、そんな愛するひとがいながら、それでも愛人と心中してしまう。たぶん普通の人には理解不能の行動でしょうが、この映画を観終わった今、僕にはなんとなく解るんだよな――。
 もっとも、僕は小説を書けないから、太宰のようになることはたぶんない。
 そのことに安心していいのかどうか、それもまた微妙ですが――。

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ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~
太宰治生誕100周年のトップを切って公開される作品。同日公開に『パンドラの匣』がある。主演は『K-20 怪人二十面相・伝 』の松たか子。共演に『剱岳 点の気』の浅野忠信、『おくりびと』の広末涼子、『ノーボーイズ、ノークライ』の妻夫木聡、堤真一、室井滋、伊...
恋する気持ちの原点。『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』
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ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~
第33回モントリオール世界映画祭、最優秀監督賞受賞作品―【story】戦後の混乱期。秀でた才能を持つ小説家でありながら、大酒飲みで、多額の借金をして浮気を繰り返す大谷(浅野忠信)の妻・佐知(松たか子)は、夫が踏み倒した酒代を肩代わりするため飲み屋で働くことに
★「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」
TOHOシネマズの1ヶ月フリーパスもこれで打ち止め。 合計18作品をタダで見ることができました。 本作は、文豪・太宰治の原作・・・ 2009年は太宰の生誕100周年だったのね。
mini review 10454「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」★★★★★★☆☆☆☆
2009年に、生誕100年を迎える文豪・太宰治の同名短編小説を、『雪に願うこと』の根岸吉太郎監督が映画化した文芸ドラマ。戦後の混乱期を背景に、道楽ざんまいの小説家の夫に振り回されながらも、明るくしなやかに生きていく女性の姿を描く。逆境の中でも活力にあふれるヒ

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NO TITLE
こんにちは~♪
この映画は妙な魅力がありましたよね。
観て、「つまらない」とお感じになった方もいらっしゃるでしょうが、私のように「面白いってわけでもないけど、妙にツボ」って人も多いと思います。
どの辺がツボなのかは人それぞれでしょうが、私は結構大谷の生きざまがツボでした。
なんというか、、、こんな人が身近にいたら呆れかえっちゃうのですが(笑)、甘ったれのダメダメ人間ぶりを臆面もなく晒している辺りが可笑しくて、、、
皆、そういう要素を男も女も持っているとは思いますが、それを隠そうともしない大谷は、、、おバカだけど可愛いっちゃー可愛い(笑)
まぁ~太宰と大谷を重ねて観たので尚更可笑しかったのかもしれませんが。

佐知は、よく分からない女性でしたね~
まっすぐ生きていたけど、、、ああいう女性こそ男性を怖がらせるのかも?(笑)
毎度コメント感謝!
>>由香さん。
佐知を演じた松たか子いわく、「佐知は本能のままに生きている人」なんだとか。
由香さんが書かれていた「何にも考えてない」というのも、案外的外れな批評ではなさそうですね。

>大谷は、、、おバカだけど可愛いっちゃー可愛い(笑)

やっぱり女性から見ると、可愛いですか……。男から見ると、許しがたい反面、ちょっと羨ましい感じですかねぇ。自分の弱さに、あそこまで従っていくというのも、普通はできないですもんね。

プロフィール

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Author:tamacat
行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
でもその“理”を支えているのは、実はすべて直感と思い込みだったりもする。そういう人。

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