闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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小説『殺人鬼Ⅱ 逆襲篇』綾辻行人

 ミステリ界に激震を与えた「新本格スプラッタ」小説、まさかの続編。前作で「TCメンバーズ」の面々に残虐の限りを尽くした「双葉山の殺人鬼」が、今度は麓の町にある「白河外科病院」を、阿鼻叫喚の地獄絵図へと塗り替えます。
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 「TCメンバーズ」のメンバー14人が惨殺された事件から3年。双葉山の麓、羽戸町にある白河外科病院の511号室に入院している患者・白河誠二郎。半年前、学生時代からの仲間とともに双葉山に入り、崖から転落して植物状態になり、兄の啓一郎が経営するこの病院に入院する運びとなった。一緒に山に入った二人の仲間のうち、一人は全身をずたずたに切り裂かれて惨殺され、もう一人は精神の均衡を崩し、駅のホームから電車に飛び込んで自殺してしまった。そんな誠二郎を見舞っていた息子の真実哉は、病室の窓からそいつを目撃する。病院の裏手にある沼のほとりに、忽然と現れたそいつ――双葉山の殺人鬼の姿を!

 関連記事:小説『殺人鬼』綾辻行人
 いやぁ、綾辻さん、やってくれるわ。
 スプラッタ描写が、前作の3倍ぐらいパワーアップしています。
 前作は舞台が山の中ということで、出来る限り残虐な方法で殺すといっても、その方法のバリエーションはたかが知れてました。殴るか、刃物で刺すか切るか、あとは腕力にものを言わせて首をへし折るか。それだけでもう充分だと思う人がほとんどでしょうが、なんといっても本作の舞台は病院です。残虐行為の役に立つ小道具には事欠かない。文章を読んでいるだけでも「早く殺してくれ」と泣きすがりたくなるような、ひたすら痛そうで苦しそうなシーンが続出です。血みどろ&クソまみれ&モラル崩壊。あぁ。

 前作では、一級のスプラッタ・ホラーでありながら、本格パズラー作家の面目躍如とばかり、作中に精緻なトリックまでも仕込んでいた綾辻さん。本作でもその趣向は継続されていますが、こっちの方は正直、お世辞にも上手くいってるとは言い難いような気がしますね。
 前作のトリックには、それなりのインパクトがあったんです。そのトリックが明かされたときに、読者がそれまで理解していた世界がガラリと姿を変え、まったく別な姿へと捉えなおされる。そういう効果がちゃんとあって、作品に力を与える武器として、かなり効いていたんですね。
 ところが、本作のそれには、そういう効果がない。トリック自体が小粒なのもありますが、それ以上に、トリックが明かされる前と後で、作品世界がなんら姿を変えないから、作品のテーマを強く印象付けるような武器になりえていないんですね。なにもそんな中途半端なトリックを仕込まなくても……と思ってしまい、むしろスプラッタ・ホラーとしての恐怖の純度が落ちてしまうようにも感じるし。ちょっと無理があったんじゃないかなぁ。

 作者はこの作品がたいそうお気に入りだそう。なんとなく、後の『暗黒館の殺人』に通じる要素も感じられますし、職業作家としてのプロ意識や読者の目を意識して書いたというよりは、完全に作者自身の趣味で書いた作品という感じですから、そりゃあ気に入るでしょう。
 ところで、この『殺人鬼』シリーズは、じつは『暗闇の囁き』と世界観を共有しているんです。そこに作者のどういう意図があるのかは、今のところ不明。でも、パズラー作家であることに非常に自覚的な綾辻さんのこと、何か考えてあると思うんだけどなぁ。
 またも死体は発見されなかった「双葉山の殺人鬼」が、今度はどこに現れるのか――。いや、もう正直、二度と現れないでほしい。でも、恐いもの見たさもまだちょっと、僕の中にあるような……?
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comments(2)|trackback(0)|読書|2009-11-15_04:08|page top

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トリックの必要性はない
第一弾は舞台設定自体にも仕掛けが施されているけど、今作は「実はこうでした」って明かされるだけで「あ、そう」で終わってしまうような、別になくてもいいトリックだからね。どちらにしても作中のスプラッタ描写が過激すぎてどうでもいいと言えます。
毎度コメント感謝。
>>峰川幸介三世さま。
ある面では綾辻さんらしいといえる作品ではありますが、
トリックいらねぇじゃんというのもそうですが、ストーリー的にも
ラストはいまいち収まりがわるい感じがしましたね。

とかなんとかいいながらもこんな作品を読んでしまうあたり、
本格ファンの悲しさでしょうね。

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Author:tamacat
行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
でもその“理”を支えているのは、実はすべて直感と思い込みだったりもする。そういう人。

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