闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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小説『探偵映画』我孫子武丸

 15年も前に発行された講談社文庫版を、先日ブックオフで購入しました。で、その翌日に、文春文庫から新装版が出ていることを知る。本はできるだけ綺麗な状態で読みたいタイプだから、それなら新装版買ったほうがよかったじゃん、と思ってがっくり。まあ中身は一緒ですけど。
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 FMW――フィルム・メーカーズ・ワークショップは、映画界の鬼才・大柳登志蔵監督が設立した、小さな制作プロダクション。ぼくはそこの社員で、現場ではいちばん下っ端の、サード助監督だ。今は大柳監督自らが脚本も手がけた新作映画『探偵映画』の撮影中。ところが、撮影があらかた終わり、あとは結末部分を残すのみとなったとき、突然監督が失踪した!なにより困ったことに、事前に出演者・スタッフに配られた台本には結末部分が書かれておらず、この映画の結末を知っているのは世界中で、大柳監督ただ一人ということだ。必死の捜索にもかかわらず監督を見つけられなかった僕たちは、撮影済みのシーンから映画の結末を予想しようとするが……。
 
 うーん、微妙。つまらなくはないけれど、いまひとつ乗りきれない感じが終始拭えなかった。
 映画の結末を予想するに際して、出演者たちが軒並み「自分こそが犯人だ」とアピールする(サスペンス映画において、犯人役は探偵役の次に「おいしい」役だからというのがその理由)というのが本作の読みどころというか、面白さなのだけれど、この出演者たちのキャラが、いまいち立っていないので、みんなの必死の自己アピールにいまひとつ惹きつけられないんですね。登場人物のキャラを立たせるのが上手い我孫子作品にしては珍しいことだと思いますが、本作は主人公の〈ぼく〉の一人称で描かれていること、出演者たちに加えてスタッフも含めると、登場人物がかなり多いことが影響しているかもしれません。

 あとがきで「作者はこれをミステリ読者へ、そして映画を愛する人たちに向けて書いた」と述べていますが、特に作品冒頭、主人公と他の登場人物たちが映画談義に高じる描写は、相当にマニアックな話が続出しています。一応、作中の仕掛けに対する伏線という役割はあるものの、どちらかといえば、作者自身の映画への思いの発露といった側面が強いと思います。
 僕もこのblogで映画レビューを書いているぐらいで映画は好きですし、性格的にどちらかといえば、ノーマルというよりはヲタクに近い心性の持ち主だと思いますが、一方で生来のものぐさ、面倒くさがりの性質のため、本当のヲタには遠く及ばぬレヴェルにとどまっています。だから、こういう本当のヲタ的な人の知識量を目にすると、本当に同じ時間を生きているのだろうかという気になります。限られた時間の中で、その一つのことに情熱と労力を徹底してつぎ込めるというのは、僕には絶対出来ないことなので、羨ましいです。

 さて、我孫子さんといえば昨年、『弥勒の掌』が〈第三回啓文堂おすすめ文庫大賞〉で第1位を獲得しました。この〈啓文堂おすすめ文庫大賞〉というのは、京王電鉄グループの書店である啓文堂書店が主催している賞なので、京王沿線に住んでいない人にとってはほとんど関係ないかもしれません。ですが、家も職場も京王沿線にある僕は、出かける先々で、我孫子さん直筆の受賞コメントとともに『弥勒の掌』が大量に平積みされている売り場を目にします。中学時代に『かまいたちの夜』をプレイして以来の我孫子ファンとしては、こんなふうに我孫子さんが注目されるのは嬉しい反面、ちょっと驚きでもあります。ただ我孫子さんというと、15年ぐらいずっと『殺戮にいたる病』が代表作だといわれてきましたが、この受賞をきっかけに『弥勒の掌』が新たな代表作と言われるようになったらいいな、とファン目線で思っています。個人的には、『弥勒の掌』は、『殺戮にいたる病』を上回る傑作だと思っているので。
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comments(0)|trackback(1)|読書|2010-01-06_00:33|page top

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『探偵映画』
我孫子武丸 『探偵映画』(講談社文庫)、読了。 この作家さんはお初でしたが、なかなか楽しめました。 「撮影途中で監督が失踪、しかも脚本の結末を誰も知らない」という 舞台設定が面白かったです。 ...

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行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
でもその“理”を支えているのは、実はすべて直感と思い込みだったりもする。そういう人。

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