闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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小説『毒猿 新宿鮫Ⅱ』大沢在昌

 大沢在昌を代表するシリーズ、「新宿鮫」。そのなかでも傑作との呼び声高い、シリーズ第二作『毒猿』を読みました。
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 鮫島はひょんな偶然から、台湾の刑事・郭と知り合う。郭は〈毒猿〉と呼ばれる、凄腕で冷酷な殺し屋を追っていた。毒猿の狙いは台湾マフィアのボス、葉威。身の危険を察知していた葉威は日本に逃げ込み、暴力団〈石和組〉に庇護されていた。もし毒猿が葉威の居場所を突き止めるため、石和組の組員を拷問したり、殺したりしたら、大規模な抗争に発展しかねない。鮫島は危機感を覚えるが……。
 
 さすがはシリーズ屈指の傑作と呼ばれるだけのことはあります。これは凄い。むちゃくちゃ面白い。
 全篇に渡って、ピリピリと張り詰めた緊張感がみなぎり、アクションシーンの迫力も抜群。また、郭、葉威、毒猿といったゲストキャラクターの造形が秀逸で、それぞれのキャラクター同士が、各々の人間性を映しあう鏡のような存在となっていて、それによって主人公・鮫島のキャラクターも浮き彫りになってくるという人物の描き方も素晴らしい。特に、国は違えど同じ警官として、強い信頼関係で結ばれる鮫島と郭の関係はとても感動的。

 中・終盤はアクションやバイオレンスの要素も強くなってきて、それがまた作品の迫力・緊張感を強く印象付けます。凄惨で残酷な暴力を前にして、普通の人間が感じる恐怖や混乱なども描かれていて、そういった多様な視点を丁寧に、しかしくどくならずに描いている点も素晴らしいですね。そしてクライマックスの新宿御苑でのアクションは、ちょっと桁違いの迫力。毒猿の恐ろしさをまざまざと見せ付け、ぞっとさせられます。

 強いて難をあげるとすれば、冒頭のトルエンの売人の逮捕シーンや、意味深な登場の仕方をしたキャリア警官・荒木が意外とストーリーの本筋に絡んでこないことが、不満といえば不満かな。特に荒木警視に関しては、もっと鮫島との絡みが見たかった気がします。次回作以降、登場するのかどうかどうか知りませんが、これでさよならと言うには、ちょっと惜しいキャラクターですね。

 文庫本で450ページぐらいですから、そんなに長い作品ではないですが、それだけに濃密で、読み応えのある作品です。逆に、これだけの濃密な内容をこの長さで書ききってしまえるあたりが、大沢在昌という作家の非凡さかなという気もします。ハードボイルド・アクション小説として、文句なしの一級品。読んでよかった、と思える作品です。
 大沢在昌の作品は久しぶりに読みましたが、改めて「すごい」思える作品でした。エンタメ作家としての非凡な才能と高い実力を思い知りましたね。もっとも、これは20年近くも前の作品ですから、最近の作品はまた違ってきているかもしれませんが。とはいえ、「エンターテイメント・パラダイス〈エンパラ〉」を合言葉に創作を続ける大沢氏のこと、今後も娯楽性の高さを何より大事にして、素晴らしい作品を読ませてくれることは間違いありません。
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comments(0)|trackback(0)|読書|2010-04-01_03:20|page top

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行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
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