闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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映画『十三人の刺客』

 1963年公開の時代劇映画の名作を、監督・三池崇史、主演・役所広司ほか豪華キャストでリメイクした話題作。映画の後ろ半分、ほとんど斬り合いのシーンというすごい映画。
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 江戸末期、弘化元年のこと。明石藩江戸家老・間宮図書(まみやずしょ)が、主君である明石藩主・松平斉韶(まつだいらなりつぐ)の暴虐ぶりを訴えるため、老中・土井大炊頭利位(どいおおいのかみとしつら)の門前で切腹自害する。しかし斉韶は将軍の腹違いの弟にあたり、明年には老中への就任が内定している。そのような立場のものを表立って処罰すれば、幕府の権威が失墜してしまう。とはいえ、極悪非道の斉韶を老中という幕府の要職につかせれば、天下の政に重大な悪影響を及ぼすのは目に見えている。苦心の末、土井は斉韶暗殺を決意。土井からの密命を受けた御目付役・島田新左衛門(しまだしんざえもん)は仲間を集め、策を練り始める。一方、主君暗殺の動きを察知した明石藩御用人・鬼頭半兵衛(きとうはんべえ)は、その中心人物がかつて剣でも学問でも競い合った好敵手・島田であると知り、闘志を燃やす。

 映画『十三人の刺客』公式サイト
 
 『十三人の刺客』ということですが、実際キャラが立っているのは半分ぐらいで、残りの半分ぐらいは「こいつ誰だっけ?」という感じだったりします。でもその辺のところは、あまり突っ込まない。実際ちゃんと描いていたら時間がいくらあっても足りないですしね。赤穂四十七士全員の名前や人間性を知らなくても「忠臣蔵」の映画が楽しめるのと同じで、この『十三人の刺客』も、十三人のうち6,7人の名前と役割を認識していれば、映画の内容は理解できます。

 映画前半は静かなシーンが多く、また時代劇としてすごくちゃんとしたつくりになっているので、時代劇を見慣れていない人にとっては、言葉遣いなど、少々わかりにくい面もあります。また、冒頭の間宮図書切腹に始まり、エグイシーンも多い。斉韶の残虐ぶりを示すエピソードとして「両手・両足を切られた女」が出てくるのですが、このシーンはかなりショッキングでした。エグイのが苦手な方は、前半はちょっときついかもしれません。
 ですがこの映画最大の見せ場、ひたすら「斬って斬って斬りまく」る後半50分は圧巻。丸ごと買い取って要塞化した町を、闘いながら逃げ、逃げながら敵を誘導し、敵の手勢を分散させながら大将をおびき出す。飛び散る泥と血潮にまみれながら、ひたすら刀を振り回す刺客たち。「いったい何人斬ったら終わるんだ?」と心配になるくらい、次から次へと湧いて出てくる斉韶の配下たちを、とにかく斬る、斬る、斬る!
 なにより、要塞化した落合宿のセットがすごいんです。庄内映画村ですか?とにかくそこのオープンセットがすごいつくり。可動式の柵があり、家並みがあり、物見櫓があり。そしてそのセットを、爆破して吹っ飛ばすという豪快さ!時代劇アクションでここまでやれるなんてと、アクション好きの僕は感動してしまいました。

 キャストについていくつか。島田役の役所広司は、文句ないですね。こういう役は、たぶんこの人の天分なんじゃないかって気がする。『ローレライ』の艦長役とほとんど同じといえば同じなんですが、こういう役の説得力って、演技力云々の問題じゃないと思いますから。芝居がどうのという次元を超えて、なんか納得してしまう。そういう俳優って、今の日本じゃ渡哲也かこの人ぐらいじゃないでしょうか。
 刺客たちのNo.2、倉永左平太役は松方弘樹。この人を見ていて、やっぱり殺陣って年季ものなんだなぁって思いました。他のキャストとは、殺陣の動きが明らかに違う。速いし、無駄がない。映画全体ではあまり目立つ役じゃないんだけど、殺陣だけでじゅうぶん目立ってました。
 No3、三橋軍次郎役・沢村一樹。どうしても、セクスィー部長ならぬセクスィー武将を思い出してしまいました。それだけ。
 倉永の配下、大竹茂助役・六角精児。なんでこの人が?『相棒』の米沢を思い出してしまいました。それだけ。
 鬼頭半兵衛役・市村正親。時代劇初出演だそうです。意外にも。でも、ぜんぜん違和感はなかったですね。ろくでもない殿様に仕えたために苦労するのですが、ろくでもない殿だからこそ「俺が支えてやるんだ、守ってやるんだ」という使命感・忠義心を強烈に持っていて、殿がひどいことをすればするほど、一種マゾ的な喜びを感じていそうな、そんな役でした。
 明石藩主・松平斉韶役・稲垣吾郎。この映画が成功しているとしたら、そこにこの人が果たした役割はものすごく大きいと思います。人としての大切な部分が完全に抜け落ちている狂人暴君を怪演。どんな残虐行為を働いても顔の筋肉ひとつ動かさず、平然としているさまはすごかったです。でもこの人が言う台詞には、飽食の時代に生きる僕らにはものすごく痛いメッセージが、隠れている気がする。

 時代劇アクションとしては文句なく面白いこの映画。でも、「頭カラッポにして楽しんでね」という映画ではなく、どこか割り切れないむなしさや、えもいわれぬ気持ち悪さが残る作品でもあります。斉韶はどこまでも極悪非道で、だから殺されてもまるで同情の余地はないんですが、だからって「悪い奴が成敗されて、よかったね。メデタシ、メデタシ」という感じじゃない。その極悪人・斉韶に対して島田が、最後の最後まで「斉韶様、お命頂戴仕る!」と最上級の尊敬語で接していたところに、武士の業の深さというか、悲しい性を感じたし、そんな島田たちや鬼頭の死に様、斉韶の狂気の裏にある空虚さなどからは、生死・戦い・運命・武士道・自由……そういうものに対して、なんか漠然と考えさせられました。すごくモヤモヤとしたメッセージを投げかけられたような。こういうすっきりさせてくれないのが、本来の三池スタイルなんだろうなぁ。でも、僕はすっきりした映画のほうが好きなので(特にアクション物はね)、少し不満というか、イラついてる部分があるのも確かです。
 だけど日本映画で、しかも時代劇で、これほどド迫力のアクションを観れたことは、単純に嬉しかった。やるじゃん、日本映画。これからもこんな面白いアクション・エンターテインメントを、もっといっぱい観せてほしいなぁと願うのでした。

 でもね、この映画って実のところ『SUKIYAKI WESTERN ジャンゴ』を少し真面目にしただけなんじゃないの?と思ったりもするんですよね……。どうなんだろ、その辺。
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十三人の刺客
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