闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

カレンダー

06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

月別アーカイブ

検索フォーム

広告!

ブロとも申請フォーム

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
HP Directplus オンラインストア
comments(-)|trackback(-)|スポンサー広告|--------_--:--|page top

映画『死刑台のエレベーター』

 1957年のフランス映画のリメイク。監督も「無謀な企画」と驚いたそうだけど、その無謀な企画にTV局が一枚噛んでいることに驚愕。テレビ東京の蛮勇に拍手。
死刑台のエレベーター [DVD]死刑台のエレベーター [DVD]
ルイ・マル

紀伊國屋書店 2006-06-24
売り上げランキング : 36736
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 愛のための完全犯罪。それはほんの15分で終わるはずだった。しかし皮肉な偶然の悪戯が、二人の運命を狂わせ始める。待ち合わせの場所に、いつまでたっても現れない男。待ち焦がれる女の前を、一台の車が通り過ぎる。それは男の愛車。助手席には見知らぬ女。何故。疑心暗鬼に陥る女は、夜の街を彷徨いはじめる。そのころ男は、停止したエレベーターの中から脱出しようともがいていた。
 一方、男の愛車に乗っていたのは、若いカップル。チンピラに拳銃を奪われた警官とその恋人が、前を走る車を追うため、偶然停めてあった男の愛車を盗んだのだ。追っているのは、暴力団組長とその情婦。実はその情婦は、警官の元恋人で……。

 映画『死刑台のエレベーター』公式サイト
 
 これはオリジナルを観たくなったなぁ。監督も「そう思ってもらえたら成功」と言っているけど。パンフレットによると、オリジナルとほとんど、そっくり同じに作っているそうです。国と時代が違うので、登場人物の職業や肩書き、そのバックボーンの部分は多少変更が加えられているようですが、それ以外の部分では限りなくオリジナルを忠実に再現しているとか。だから、この映画が面白いとしたら、それはオリジナルが面白いということ。
 じゃあ、この映画は面白いのか?答えは“Yes”です。

 じつはすごくシンプルなストーリーなんですが、次に何が起こるんだろう、どういう展開になるんだろうというハラハラした緊張感がひと時も途切れることがない。逢えない男と女を演じる、阿部寛と吉瀬美智子の存在感が、その緊張感を支えています。阿部寛演じる時籐がエレベーターを脱出しようと試行錯誤しながら悶絶する様子は、滑稽ささえ漂いますが、あぶない女との恋に溺れる中年男の悲哀と懊悩がにじみ出ています。
 一方、「あの人を殺して、私を奪いなさい」なんて刺激的な台詞を口にするヤバイ女・手都芽衣子を演じるのは、吉瀬美智子。この映画が成立するのは、この人がいるから。そう思わされます。なにせこの映画は、彼女のクローズアップで始まり、彼女のクローズアップで終わる。監督曰く「吉瀬さんだからこそ、あのクローズアップができたんです。美人のアップはみんな見たいですから」と。顔もそうだけれど、声も素敵ですね。作中、ある登場人物は芽衣子のことを“魔女”と表現しますが、芽衣子と時籐が電話で会話するファーストシーンは、まさに“しもべに指令を送る魔女”。他方、夜の街で外国人の少女に話しかけられて微笑む表情はとても柔和で、ごく普通の優しいお姉さん。“魔女”だの“悪女”だのというのは男が言うことで、じつは少し気が強いだけの、普通の女性だということが解ります。
 彼女に限らず、この映画に出てくる女優陣はみんなヤバイです。いい女目白押し。暴力団組長・神の情婦である朔美を演じたりょうなんて、最高ですね。
 玉山鉄二と北川景子が演じた若いカップル。監督は「幼さゆえの狂気」と表現していますが、狂気というより、ただのバカでしょう。どっちもバカすぎる。警官のくせに無軌道に罪を犯す男もバカだし、そんな男を必死に愛している女もバカ。共感も同情もしないけど、ある面で現代の若者を象徴するキャラクターであることは確かでしょう。また、二人がシフトレバーの上で手を重ねて見つめあうシーンは、車でいえばトランスミッションのような役割を果たす彼らの作中での役割を象徴していると言えそうです。

 「愛にまつわる完全犯罪は、この世には無い」んだそうです。そう、じつはこの映画は愛にまつわるお話だったのですね。サスペンスとしての雰囲気が良すぎて、ラスト近くになるまですっかり忘れていましたが。愛という純粋で傲慢で不確かな感情が、真面目すぎる男を犯罪者にし、普通の女を悪女に変える。現像された写真を見つめるラストシーンは切ないですが、最後の芽衣子のモノローグ(老いてゆく、老いてゆく、老いてゆく……)には思わず苦笑しちゃったな。実のところ彼女は、老いてゆくことによって愛を失うことを怖れていたのでしょうか?たしかにある程度の年齢の女性にとっては、それは切実な問題かもしれない。しかし、うーん。そんなことで人殺しまでさせるとは、やっぱり芽衣子は悪女……か?

 元が古い映画なので、現代の状況に照らすと筋の通らないことが出てくるのですが、その辺の逃げ道の作り方が巧妙。殺人の証拠を回収しようと焦っている人なら、携帯を車中に忘れもするでしょう。またこれはある日の夕方から翌朝までの、非常に短い時間のストーリーというところもポイント。現代の鑑識技術がいくら高いといっても、弾道検査やライフルマークの照合をするにはそれなりの時間もかかるだろうから。
 こんなすごい映画が50年前に作られていたことにも驚くし、逆に50年前の映画を今リメイクして、こんな素敵な映画が出来たことにも驚く。そして冒頭にも書きましたが、こんな企画に乗ったテレビ東京はすごいですね。TV局が作る映画じゃないですよ。でも、テレビ東京が関わる映画って、けっこうTV局的じゃないのが多い気はする。『アウトレイジ』とかもそうだし。少なくともフジテレビやTBSと違って、安易な観客迎合主義に陥っていないのは確かで、そこは好感が持てますね。
死刑台のエレベーター【新版】 (創元推理文庫)死刑台のエレベーター【新版】 (創元推理文庫)
ノエル・カレフ 宮崎 嶺雄

東京創元社 2010-07-27
売り上げランキング : 9789
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

ベッドタイムストーリーベッドタイムストーリー
Jazztronik feat.YUKI

ポニーキャニオン 2010-09-29
売り上げランキング : 653
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

吉瀬美智子公式カレンダー 2011吉瀬美智子公式カレンダー 2011

小学館 2010-11-12
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

スポンサーサイト

Theme:日本映画
Genre:映画

HP Directplus オンラインストア
comments(0)|trackback(16)|日本映画|2010-10-12_01:48|page top

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

『死刑台のエレベーター』(2010年・日本版)
※かなり辛口。 各ファンの方はスルーしてください。 「う~ん。 これは、映画の出来不出来を言う以前に、 と...
「死刑台のエレベーター(2010/日本)」レビュー
映画「死刑台のエレベーター」についてのレビューをトラックバックで募集しています。 *2010年、日本映画 *出演:吉瀬美智子、阿部寛、玉山鉄二、北川景子、平泉成、りょう、笹野高史、熊谷真実、田中哲司、堀部圭亮、町田マリー、上田耕一、津川雅彦、柄本明、他 *監督:...
死刑台のエレベーター
フランスの名匠ルイ・マルが手掛けた1957年の傑作サスペンスを、 『のだめカンタービレ』の吉瀬美智子と『トリック』の阿部寛主演で リメイク。 完全犯罪を目論む愛人関係の男女を軸に、ふとしたアクシデントを きっかけに運命を狂わせ、不安と焦りから破滅の道へ絡み合…
[映画『死刑台のエレベーター(2010)』を観た]
☆短信でごめん。  でも、かなりの問題作なので、早めに一言もの申したかったのだ。  この作品、話の40%がメチャクチャなのである^^  私は、上映の途中で抜け出したくなった。  でも、最後まで見ると、何となく許せる気分に...
映画「死刑台のエレベーター」を観ました!!(2010-13)
映画「死刑台のエレベーター」を観ました!!
映画:死刑台のエレベーター
 先日15連休中に観たのですが、旅行ブログを書いていたので、映画の記事が遅くなっちゃいました。と言うわけで今回は死刑台のエレベーターです。
死刑台のエレベーター
 昔見たことのある有名な映画のリメイク作だというので、『死刑台のエレベーター』を新宿の角川シネマ館で見てきました。 (1)この作品は、出演する俳優陣が豪華ですから、サスペンス物と...
死刑台のエレベーター/吉瀬美智子、阿部寛
オリジナル作品は観たことないんですけど、有名なこのタイトルとフランス映画の名作ということくらいは知ってました。予告編の映像からは特にフランスな香りは感じませんでしたけど、何だか濃厚そうラブ・サスペンスなストーリーのようで楽しみにしてました。何でもリメイ...
映画「死刑台のエレベーター」
2010/10/21 ユナイテッドシネマ豊洲 吉瀬美智子、阿部寛、玉山鉄二、北川景子、平泉成、RYO(りょう)、 津川雅彦、柄本明、熊谷真実 * 1957年の同名フランス映画のリメイク。 尚、オリジナルについては1958年とする説も...
死刑台のエレベーター(日本語版 2010)
オリジナルの死刑台のエレベーターを観た後さいたま新都心駅へ直行。 そして2010年の死刑台のエレベーターを鑑賞。 #ものすごく効率悪いような気がするが・・・ #そもそもMOVIXさいたまでオリジナル版の上...
死刑台のエレベーター(2010)
ルイ・マル監督のデビュー作にして傑作の呼び声高い1957年の同名サスペンス映画のリメイク。完全犯罪の計画を企てるも、全ての歯車が狂い始め、破滅の道へと堕ちて行く様子が描かれる。主演は『ライアーゲーム』の吉瀬美智子と『トリック』シリーズの阿部寛。共演に『...
死刑台のエレベーター(2010年・日本)
2010年11月3日(水) 9:45~ TOHOシネマズ川崎8 料金:0円(フリーパス) パンフレット:未確認 『死刑台のエレベーター』公式サイト フリーパス4本目。 ルイ・マルの昔のヌーヴェルヴァーグを臆面も無くリメイク。 オリジナルは、その昔に観たはずだ。結構面白
「死刑台のエレベーター」は2010年に起こりう...
ルイ・マルの「死刑台のエレベーター」は、まさに映画史に残る大傑作であり、これと今回の緒方明作品とを比較すること自体は全くのナンセンスである。比較の結果は自明である。映画...
映画『死刑台のエレベーター』を観て
10-75.死刑台のエレベーター■配給:角川映画■製作年・国:2010年、日本■上映時間:111分■鑑賞日:12月1日、角川シネマ新宿(新宿三丁目)■入場料:1,000円(オリ...
別館の予備(感想211作目 死刑台のエレベーター)
1月15日 死刑台のエレベーター(感想211作目) 下記TBアドレスの別館にTBして頂けると有難いです TBアドレス http://trb.ameba.jp/servlet/TBInterface/hum09041/11134918349/c19e6895 十三人 ...
死刑台のエレベーター(感想211作目)
死刑台のはケーブルTVで鑑賞したけど 結論は吉瀬さん満足も内容は微妙だったね 内容は社長夫人の芽衣子は時籐との 愛人関係

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

tamacat

Author:tamacat
行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
でもその“理”を支えているのは、実はすべて直感と思い込みだったりもする。そういう人。

参加ランキング

クリック感謝!

NetShop

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。