闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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小説『ペルソナ探偵』黒田研二

 『ウェディング・ドレス』でメフィスト賞を受賞しデビューした黒田研二氏の第二作。黒田氏といえば、先日読んだ『Killer X キラー・エックス』の作者の一人ですね。
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 作家を志す六人の男女が集う〈星の海☆チャットルーム〉。星の名前をハンドルネームに同人誌を作る彼らは、互いに面識はないが、だからこそ同じ志を持つもの同士、特別な絆で結ばれていた。時にプライベートな悩み事や、遭遇したトラブルについてチャットで相談を持ちかけることもあった。
 チャットをはじめて以来、それぞれの本名や住所などの個人情報を明かさないという約束事をずっと守り続けていた彼らだったが、決まりというのはいつか破られるものだ。ある緊急事態が起き、彼らは禁を破って、実際に顔を合わせての会合を開く。そこで次々と明らかになる、衝撃の事実の数々とは……。

 黒田研二オフィシャルサイト「KUROKEN!」
 
 二階堂黎人氏との共著『Killer X キラー・エックス』は読んでいましたが、黒田氏単独の著作を読むのは初めて。『キラー・エックス』のときは「これは黒田カラーなの?それとも二階堂カラー?」というのが解らなかったので(僕は二階堂氏も読んだことがない)、本書に関してもどのような作品なのか、読む前はまったく想像がつきませんでした。『ペルソナ探偵』というタイトルから、なんとなく人の裏の顔とか、心の闇とかをテーマにした暗い作品なのかと想像したのですが(だって〈ペルソナ〉って〈仮面〉って意味ですもんね?)、読んでみるとまったく想像とは違う、読み易くて軽快な作品でした。ただ「ペルソナ=仮面」という意味、あるいは心理学用語としてのペルソナという言葉がまったく無意味に使用されているわけではなく、最後まで読めば、ちゃんと内容に関連付けられたタイトルだったと解ります。

 〈星の海〉メンバーが実際に遭遇した事件を小説化した短編の合間に、「インタールード」としてある女性にまつわる悲劇的な出来事の描写をカットインさせていくという凝った構成。こういう構成は『キラー・エックス』でも見られましたから、とするとあれは黒田カラーな作品なのかな?一つ一つの短編は、さほど派手な事件が起きるわけでもなく、ミステリ小説として特別目を引くようなものではないのですが、これはごく普通の女子高生や大学生が生活の中で遭遇した出来事を小説化した(という体の)ものだから仕方がない。第3話「キューピッドは知っている カペラの事件簿」は、ミステリとしてというより、ラブストーリーとして魅力的ですが。ただこれらの短編が、「インタールード」部分の、そして〈星の海〉メンバーの謎を解くための伏線になっているので、全体を通してみると非常に良く考えられた構成とストーリーで、面白いです。最終話「五人プラスひとり ポルックスの事件簿」のなかで、様々な謎が次々と明かされていく過程は読み応え充分ですが、展開が速いのでやや理解しにくいのが難点でしょうか。

 切なくも前向きな力強さが感じられるエピローグが印象的。ですが、事件の顛末を知った後でこれを読むと、なんともいえない複雑な気持ちになります。そしてここで、タイトルの〈ペルソナ〉という言葉の意味が、重く響いてくるんですね。それでも生きている限りは、前を向いていくしかないんだろうなあ、てな感想は野暮ですね。
 初めて読んだ黒田作品ですが、なかなか良かったです。気に入りました。本を貸してくれた友人に感謝。たぶんこの作者は、他の作品も読みます。『キラー・エックス』シリーズもあわせて読んでかなきゃならいんだけど。ま、それらの話もまたいずれ。
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Theme:推理小説・ミステリー
Genre:本・雑誌

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comments(2)|trackback(1)|読書|2010-11-14_01:45|page top

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黒田研二 『ペルソナ探偵』 感想
ペルソナ探偵 (講談社ノベルス)講談社 2000-11売り上げランキング : 805812おすすめ平均 良く出来た短編集かと思いきや丁寧Amazonで詳しく見る by G-Tools ----あらすじ---- 『星の海☆チャットルーム...

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気に入ってくれて良かった
とは言え読んだのは結構前なので、終盤での集約どころはあんまり覚えてない。。各短編は仰るとおり派手なものではないですが、ラストの締めがなくても個人的には好きです。気に入っていただけたようなので、彼の他作品でのお勧めを考えておきます。
こちらこそ。
貸してもらってよかったですぜ、峰川幸介三世さま。
『キラー・エックス』と本作の印象を併せてみるに、黒田氏はラブストーリーに本格ミステリ的トリックをミックスさせるのが得意な感じですかね。「新本格」の作家で恋愛要素をきっちり書く人って少ないと思うので、新鮮な気がします。
とはいえ、今は京極さんの『塗仏の宴』を読んでいるので、当分次の本には行けそうにないですけどね。

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Author:tamacat
行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
でもその“理”を支えているのは、実はすべて直感と思い込みだったりもする。そういう人。

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