闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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映画『行きずりの街』

 1992年の「このミステリーがすごい!」第1位を獲得した志水辰夫の小説を映画化。主演の仲村トオルにとって、俳優生活25周年、映画出演50本目という記念すべき作品だそうです。
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 塾講師の波多野和郎は、かつて東京の名門校・敬愛女学園の教師だったが、教え子と結婚したことをスキャンダラスに捉えられ、学園を追放され妻とも離婚したという苦い過去を持つ。以来、故郷の丹波篠山で過去に背を向けてひっそりと暮らしていた波多野だったが、塾の元教え子で、東京の専門学校に進学した広瀬ゆかりと連絡がつかなくなったとゆかりの親族から相談され、行方を捜すために12年ぶりに東京の街を訪れる。そこで波多野は、別れた妻・雅子と再会。翌朝、ゆかりの元ルームメイトの話で、ゆかりが付き合っていた角田という男が敬愛女学園の経理部に勤めていたことが判る。ゆかりの失踪と学園の関係とは何なのか。さらに、学園の理事長が前年の夏、不審な死を遂げていたことが判り……。

 映画『行きずりの街』公式サイト
 
 うーん。これもまた“予告編が素晴らしい映画”かぁ。
 結局予告編以上の面白さはほとんどないんですね。だから、予告編がいちばん、凝縮されてて面白いっていう。『パブリック・エネミーズ』や『アウトレイジ』を観たときに感じたことと一緒ですね。

 なんていうか、これはそもそも「何映画」なのかよくわからない。アクション映画というには地味だし、サスペンス映画というほどの緊張感もない。恋愛映画っていうのがいちばん近いんだろうけど、それにしちゃ余計な話が多い。ハードボイルドって感じは……あまりしなかったなぁ。

 原作は未読なので比較は出来ませんけど、Amazonのレビューを読んでると、主人公が命がけで教え子を守る動機がない、などという批判がけっこうあります。映画版でもそこに引っかかる人は多いと思うんだけど、そこは予告編でも印象的に使われた「教え子の一人も守れなくて、今も好きな人を守れるわけが……」という台詞で、説明がついてると僕は思います。僕は学生時代に家庭教師をやったことがあるのですが、実際教え子ってすごく可愛いんですよ。ましてやそれが女の子で、しかも自分に恋心というか、漠然とした憧れのような気持ちを抱いてくれているフシがある。いくら波多野が鈍感でもそういうのは察知してたはずで(じゃなきゃ教え子と結婚しないでしょ)、これは男性教師からしたらたまらん状態なわけです(別にいやらしい意味じゃなくて、ですよ!)。だけど自分の不器用さや過去の出来事のトラウマから、その気持ちにきちんと応えてやれなかったという悔いがある。もちろん12年前に、最愛の人を守れなかったという悔いも。そういうのを全部ひっくるめて、今、ゆかりをなにがなんでも守るんだという波多野の気持ちは、僕はわりと合点がいきます。
 むしろ問題なのは、すべての発端になっている12年前の出来事の方でしょう。その後の12年に落とした影の濃さに比べてあまりにみみっちすぎる。思わず「それだけ?」って言いそうになるほど。もちろんそれがきっかけで職を失い、離婚にも至ったわけだから痛いことは痛いんでしょうけど、その後の12年間の引きずり方はいかにも重過ぎる。正直、そこまで重い話だとは思えないんですね。そこがしっくり来ないから、すべてがしっくり行かなくなってるんじゃないかなぁ。
 原作が発表されたのは20年も前で、その時代の感覚でいけばそれぐらいの重みのある出来事なのかもしれない。でも映画は間違いなく“現代”の設定で作られてますからね。そういう所こそ、リアリティの問題ですよね。

 リアリティというと、もう一つ気になったこと。波多野もゆかりも丹波篠山の出身者なのだから、この二人だけで会話をするシーンは、関西弁を喋るべきでは?実際、映画冒頭の篠山でのシーンでは関西弁を喋っているんですから(仲村トオルの関西弁が意外に違和感がなかった)。僕が関西人だから気になるだけかもしれないですが、阪本監督だって大阪出身で、関西を舞台にした映画をいっぱい撮ってるんだから、それぐらい気が回りそうなもんです。東京でのシーンを全部標準語で通してしまうのなら、いっそ篠山のシーンも方言じゃなく、標準語にすればよかったのに。「丹波篠山」という地名を聞いて「兵庫県」とピンと来る人がどれほどいるかという話だし、なにも方言を忠実に再現しなくても、違和感感じる人は多くないでしょう。所詮映画は作り物だし、スクリーンの登場人物は役者が演じているもの。その中でのリアリティって、けっして「方言を完璧に再現すること」じゃあないと思うんだけどな。

 僕は『あぶない刑事』シリーズの大ファンなので、そのシリーズのレギュラー出演者である仲村トオルは、無条件で好きな俳優さんです。その彼の記念碑的な作品を酷評するのは心苦しいのですが……それでも、面白いとは言えないなぁ、この映画は。それより『あぶデカ』の新作やってほしいな。
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行きずりの街
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映画 「行きずりの街」
映画 「行きずりの街」
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日本テレビの
アナザースカイという番組に彼が出ていたのを見たので、映画は見ていないけどコメントさせていただきます。あぶない刑事のドラマに出ていた時は青年だった彼も、今や若手俳優の憧れの的。その分我々も年を取ったという事です。21世紀と言えば幼い頃は遠い未来というイメージでしたが、今や現実なのです。年を取ったことを悲哀としか感じない現状に乾杯。
コメントどうも。
>>峰川幸介三世さま。
われわれはまだ、『あぶデカ』に出ていた頃の“トオル君”の歳だからね。それで悲哀うんぬんというのは今の素敵な“トオルさん”に失礼だと思う。
僕はまだまだ“カッコいいおじさん”への憧れを捨ててませんよ。
がんばれルー仲村
こんちは。TB辿ってきました。
いっそ「新宿純愛物語2」だ!
いやいや、香港映画の悪役やったりする仲村トオル氏もかっこいいっすしね。いい役者です。だから、今回の映画は残念。 
トオルとトゥギャザーしようぜ!?
>>ふじき78さま。
コメントありがとうございます。
僕は『ビー・バップ』シリーズとかじつは観たことないんですけど、あれって海外の映画オタクたちの間でもかなり人気があるみたいですね。
仲村トオルに香港や韓国の映画からオファーが来るのも、『ビー・バップ』に魅了された人たちが今、プロデューサーや監督になっているからだそうで。
ベースがアクション俳優なだけに、そのポテンシャルを活かせる場が日本にはないのかもしれませんね。

プロフィール

Author:tamacat
行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
でもその“理”を支えているのは、実はすべて直感と思い込みだったりもする。そういう人。

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