闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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映画『僕と妻の1778の物語』

 SF作家・眉村卓氏とその妻・悦子さんの身に起きた実話を基にした映画。『僕の生きる道』から連なるフジテレビ・関西テレビ系ドラマ「僕シリーズ」の映画化作品でもありますが、その括りにはあんまり意味はないかな。
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 牧村朔太郎(サク)はSF作家。高校の同級生で、銀行に勤める妻の節子(せっちゃん)とともに、つつましく、穏やかに暮らしていた。ある日、節子が虫垂炎の疑いで緊急手術を受けたとの一報を聞き病院に駆けつけたサクは、主治医の松下から衝撃の事実を告げられる。節子の病気は虫垂炎ではなく、大腸がんであること。がんは広い範囲に転移しており、一年先のことを考えるのは難しいということ。ショックを受けるサクだったが、節子には余命のことは伏せ、「必ず治る」と笑顔で励ます。退院後も投薬治療を続ける節子のために何か出来ることはないかと考えたサクは、退院時に松下医師が言った「笑うことで、免疫力が上がることがあるそうです」という言葉を思い出す。「そうだ、笑える小説を書こう」。毎日一編、原稿用紙3枚以上をノルマに、短い小説を書いて節子を笑わせることを決意する。来る日も来る日も一日一話を書き続けるサク、それを読む節子。やがて時は流れ、一年がたち、二年が過ぎ、三年、四年……。余命一年という医者の予想を覆し、節子は生き続けていた。しかし、がんは確実に、節子から体力を奪っていた……。

 映画『僕と妻の1778の物語』公式サイト
 
 僕はこの映画の基になった実話を、以前にTVで見て(『奇跡体験!アンビリバボー』だったと思う)知っていました。そのときにむちゃくちゃ感動して、「なんて素敵な話なんだ」と思ったことを覚えていたので、この映画の予告を観たときすぐに「観たい」と思いました。また「僕シリーズ」は『僕の生きる道』『僕と彼女と彼女の生きる道』を観ていて(『僕の歩く道』だけ観ていない)、どちらも素晴らしいドラマだと思っていたので、そのシリーズの流れを汲む映画だというのも興味を惹かれたポイントでした。

 眉村卓氏は、昭和9(1934年)生まれ。昭和一桁世代です。これは僕の偏見かもしれないけど、その世代の日本人男性で、これほど素直にかつ誠実に、妻への愛情を表現出来る人がいるとは思っていませんでした。だから、眉村氏の逸話を知ったとき、いちばん驚き、感動した部分は実はそこだったりします。でも良く考えてみると、いま眉村氏と同世代で、たとえば病気で寝たきりになった奥さんを献身的に介護している男性とかはたくさんいるはずで、これはやっぱり僕の偏見でしょう。ただ眉村氏はプロの小説家だったから、ちょっと他の人とは違う表現方法が出来た。そういうことなんだと思います。

 映画の話をしましょう。実話を基にした映画なんですが、あまり実話っぽく描かれていません。設定的にも年齢とか子供の有無とか、実際の眉村夫妻の状況とは変えられている部分がありますが、それよりも、冒頭から巨大ロボットが丘の上を闊歩する映像から始まって、作中でサクが書いた小説のイメージが映像として挿入されるなど、SF作家の脳内イメージと主人公が現実に体験した出来事とが、境目なく同じ平面状に描かれているため、全体的に現実から少し浮いた、ファンタジーのような世界観が確立しています。過去の「僕シリーズ」はもう少し現実っぽく地に足が着いていた気がするので、「僕シリーズ」の流れから見ると少し異色ですが、パンフレットを読むと、これはどうやら監督が意図したことらしいと解ります。映像にこだわる星護監督らしく、独特の映像美がそのファンタジックな世界観の確立に貢献しています。ファンタジーといっても完全にぶっ飛んだ世界ではなくて、「世界のどこかにあるはずだけど、誰も観たことのない景色」といった感じ。いったいどこでこんな景色を見つけて来るんだろうと驚かされるシーンばかりです。

 映画の中で登場するいくつかのショートストーリーは、実際に眉村卓氏が書いたもの。その中でも、第1020話『集金人』は、監督が原稿を読んで「これだ!」と思った作品だそうですが、謎の集金人を演じた小日向文世の怪演もあって、シュールな傑作になっています。他にも『知識屋』なんて傑作だと思うし、『寝不足の能力』なんて「1776話目にして!」という驚きと感動と切なさと。第1778話『最終回』は、そこに込められた想い――愛情とか、感謝とか、思い出とかを想像すると、軽々しく「感動した」とか言いたくないぐらい。もう言葉ないです。

 最後はけしてハッピーエンドとは言わないんだろうけど、それでもこの映画のサクとせっちゃんの人生は、幸せなんだろうなと思う。病気で若くして亡くなったり、大切な人を亡くしてしまう人生を幸せだなんてあんまりかもしれないけれど、でも「幸せ」って、サクと節子みたいなことを言うんだと思います。愛する人と、一緒に過ごす。手と手が触れ合った一瞬が、永遠の思い出になる。一瞬と永遠って、たぶん同じ言葉なんだ――というのはこの映画を観て感じたことじゃなくて、『乱鴉の島』を読んだ後から、ずっと考えていることなんですけどね。

 素直に、いい話、いい映画です。ぜひ皆さんも観てください。それだけ言えば、本当は十分なんだな。
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僕と妻の1778の物語
フジテレビ系ドラマの「僕の生きる道」シリーズを手がけたスタッフが、SF作家の眉村卓の原作をベースに映画化。がんに侵された妻と、その妻のために毎日一編の小説を書き続けるSF作家の夫婦愛を描いた感動のヒューマンドラマだ。主演は『黄泉がえり』で共演した草彅
僕と妻の1778の物語
監督: 星護 キャスト 朔太郎☆草なぎ剛 節子☆竹内結子 谷原章介 吉瀬美智子 陰山泰 集金人☆小日向文世 浅野和之 近所のおばさん☆佐々木すみ江 医師☆大杉漣 節子の母☆風吹ジュン 他
僕と妻の1778の物語/草なぎ剛、竹内結子
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僕と妻の1778の物語
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『僕と妻の1778の物語』(2011)/日本
監督:星護出演:草なぎ剛、竹内結子、谷原章介、吉瀬美智子、陰山泰、大杉漣ワーナーマイカル全国一斉試写会にて鑑賞公式サイトはこちら。SF作家である、眉村卓氏の実話をもとにし...
僕と妻の1778の物語 笑えばいいのか泣けばいいのか・・・ 
【=5 -2-】 年が明けてまだ12日間やのにもう5本も映画を観ている。 こんなペースで見ていたら、この1年間で152本も映画鑑賞することになるやん!←って、ないないヾ( ̄o ̄;)(笑)  SF作家・朔太郎と銀行に勤める妻、節子は、人も羨む仲睦まじい夫婦。朔太郎は一旦小説を...
僕と妻の1778の物語
竹内結子の今際の美しさ 公式サイト。眉村卓原作、星護監督、草磲剛、竹内結子、谷原章介、吉瀬美智子、大杉漣、風吹ジュン、陰山泰、小日向文世、浅野和之、佐々木すみ江。SF ...
僕と妻の1778の物語
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【映画】僕と妻の1878の物語
2010 日本
映画「僕と妻の1778の物語」 感想と採点 ※ネタバレあります
映画『僕と妻の1778の物語』(公式)を、先日(1/16)鑑賞。日曜の夜の回で観客は15名ほど。 採点は、★★★☆☆(5点満点で3点)。 この手の作品は高評価でないと非難を受け易いのですが、本音で書くと、作品1点、草なぎ剛さんと竹内結子さんの存在感と演技力
『僕と妻の1778の物語』
  □作品オフィシャルサイト 「僕と妻の1778の物語」□監督 星 護 □脚本 半澤律子□原作 眉村 卓 □キャスト 草? 剛、竹内結子、谷原章介、吉瀬美智子、陰山 泰、小日向文世、浅野和之、佐々木すみ江、大杉 漣、風吹ジュン■鑑賞日 1月16日(日)■劇...
『僕と妻の1778の物語』 映画レビュー
『 僕と妻の1778の物語 』 (2010)  監  督 :星護キャスト :草?剛、竹内結子、谷原章介、吉瀬美智子、陰山泰、小日向文世、浅野和之、佐々木すみ江、大杉漣、風吹ジュン SF作家である眉村卓と、余...
『僕と妻の1778の物語』 | 大ヒット要因は内容よりも目の付けどころの良さ?
カレーを頼んだらハヤシライスが出てきた、みたいな。 「日比谷」と言ったら「渋谷」に連れて行かれた、みたいな。 「泣ける」と聞いて観てみたら「シュールなSF」でした、みた ...
映画:僕と妻の1778の物語
 最近泣いてない。悲しい映画を観たりして泣くとすっきりしません?泣く場合に限らず、感動したり、お年寄りに席を譲るなど温かい場面を目撃したりして心がすっきりすることを「カタルシス効果」と呼ぶそうで、心理療法としても使われているそうです。また、感動した時に...

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