闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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映画『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』

 太平洋戦争末期。日本の重要な軍事拠点だったサイパン島が米軍の手に落ちた後も、山にこもり、少数の兵士を率いて実に512日にも渡って抗戦を続け、米兵たちから“フォックス”と呼ばれ恐れられた日本人がいた。そんな、戦争の知られざる実話を基にした物語。
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 1944年6月。日本が統治するサイパン島に、米軍が上陸を開始。その圧倒的な兵力・火力の前に、日本軍はなす術もなく後退を余儀なくされる。司令部の幹部たちは生き残った兵士たちに最後の玉砕攻撃を命令した後、自決。そして最後の総攻撃で数千名の日本兵が戦死し、ここにサイパン島は完全に米軍の手に落ちた――かに思われた。しかし、その最後の激戦を生き延びた者がいた。大場栄大尉もその一人。堀内今朝松一等兵ら少数の生き残りとともに島北部のタッポーチョ山へ向かった大場大尉は、山奥で野営している200人近くの日本人の集団と合流。しかし米軍の追っ手はその野営地へも迫り、彼らは島をさらに北へ、北へと逃れていく。一方米軍は、島のほとんどを制圧しながら、少数の日本兵と日本の民間人を掌握しきれないことに苛立ちを募らせていた――。

 映画『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』公式サイト
 
 なんでも“戦後世代だけで作る、日本で初めての戦争映画”なんだそうです。出演者、スタッフの顔ぶれの中に、リアルタイムで戦争を経験した人が一人もいないと。まあ、そうですよね。戦争が終わって65年ですから。安部晋三さんが首相になったときに“史上初の戦後生まれの首相”なんて言われてたように思いますが、それも何年前でしたっけね。

 さて、本作を見た感想なんですが、うーん、どうかなぁ、という感じです。なんか序盤から終盤にかけて、普通は徐々に盛り上がっていくものだと思うのですが、この映画はだんだん熱量が下がっていくような感じがしました。
 アクション的な面でいえば、冒頭の玉砕戦の戦闘シーンがいちばん迫力があるし、サスペンス的には、米軍の掃討作戦を逃れるために岩棚の上で息を潜める、中盤の入り口ぐらいのシーンがいちばん緊張感がある。大場大尉が軍人としての有能ぶりを見せるのもその辺りまでで、あとは特別な盛り上がりも、ヒリヒリする緊迫感もそれほどなく、ぼんやりと過ぎていってしまったような。一応後半にも、捕虜収容所での銃撃戦とかあって盛り上げはするんですが、それもなんか無理くりというか。
 また全体的に、ここが戦場なんだ、という極限の緊張感が感じられなかった。個人的に戦争映画というジャンルをそれほど観たことはないので、適当な比較対象があまり思いつかないのですが、たとえば『男たちの大和』では戦艦大和が受けた銃撃のすさまじさを圧倒的な弾着の数で表現して、有無を言わさぬ戦闘の迫力を出していましたし、『ランボー 最後の戦場』では、スプラッターばりの強烈な暴力描写、残酷描写を頻出させることで、“戦場のリアル”を表現していました。この映画には、そういう凄みを感じるシーンがない。米兵役のキャストたちは腹の出たオッサンばかりで、マジで戦火をくぐってきた強者には見えなかったし、日本側の兵たちも小奇麗すぎましたね。戦争末期の南洋戦線といえば、大本営からも見放されて物資の供給も絶たれ、相当悲惨を極めていたはず。みんな今日死ぬか、明日死ぬかという状況で、精神的にも肉体的にも追い詰められていたはずなのに、そこの部分の表現が「元神主の兵士が神の声を聞いた」だけではちょっと。本当に聞いたのかもしれないし、何せ神主だから。

 けっこう泣くつもりで観にいったのに、全然泣けなかったということは、やっぱりあまり出来は良くないんでしょうね、この映画。題材としては魅力的なもののはずなのに、その良さを生かせていない気がします。
 この映画の原作はアメリカ人が、それも実際にサイパンの戦場にいた元米兵の人が書いているんですね。それは史実を基にしながら、一応は小説という体裁をとっているらしいのですが、ともあれ米兵が、敵として戦った日本兵のことを書いたというところにこの原作の面白さがあると思います。実際原作がどういうテイストで描かれているのか解りませんが、タイトルに「敵ながら天晴」と付いているぐらいですから、一人の日本人将校率いる少人数の部隊に、米軍がいかに翻弄され、手を焼いたかという部分に、ページが割かれているのではないでしょうか。映画の方も、解りやすさとか、エンターテインメント性だけを考えたら、その部分をちょっと誇張するぐらいにして描いたほうが良かったと思います。逆に実録に徹するつもりなら、もっと戦場のリアルを描くべきだったろうし。
 結局、史実に忠実に描くのか、大枠は守りつつ、その中で想像力の翼を広げるのか、どっちを目指したのか判りにくいがゆえに、作品を通じてのメッセージとか、表現したいことも伝わらないものになってしまった気がします。もったいない。
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太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-
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太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男
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映画 「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」
映画 「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」
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映画『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』劇場鑑賞
 先日、映画『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』を観て来ました。この作品は、去年の11月だったかな?『十三人の刺客』を観に行った時に予告編を初めて観まして、久しぶりに予告だけで「観てみたい!」...
映画<太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男->
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『太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男』
  □作品オフィシャルサイト 「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」 □監督 平山秀幸、チェリン・グラック□脚本 西岡琢也□原作 ドン・ジョーンズ□キャスト 竹野内 豊、唐沢寿明、ショーン・マッゴーワン、井上真央、山田孝之、岡田義徳、ベンガル、
映画『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』
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太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-
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太平洋の奇跡 ‐フォックスと呼ばれた男‐
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太平洋の奇跡
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太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-・・・・・評価額1700円
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 すごく久しぶりに有楽町スバル座に行きました。多分、小学生の頃に親に連れて行かれて依頼だと思います。小さくて汚いイメージだったんですが、だいぶ改装されたんですね。と言うわけで、今さらながら太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男を観てきました。

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生死
「実際に誰か一人くらい殺して見ろ」とかそんなひどい事は言えないんですが、冒頭の作戦以外、死に対する実感を感じさせない映画でしたね。
死んだの誰でしたっけ?
>>ふじき78さま。
堀内以外、誰が死にましたっけ?
実際は何人か死んでるんですけど、死んだ人の顔が浮かんでこないですよね。
これではたしかに、血湧き肉踊らないです。

プロフィール

Author:tamacat
行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
でもその“理”を支えているのは、実はすべて直感と思い込みだったりもする。そういう人。

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