映画『岳-ガク-』
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「ビッグコミックオリジナル」連載のコミックを、小栗旬、長澤まさみ主演で映画化した山岳ヒューマンドラマ。山の映画っていうと、僕はどうしても『クリフハンガー』をイメージしちゃうんですが、さすがにテロリストとかは出てきませんでした。
長野県警北部警察署・山岳遭難救助隊に配属されることとなった椎名久美。そこで彼女は、山を熟知し、救助隊の野田隊長から「山そのものだ」と評される山岳ボランティア・島崎三歩と出会う。遭難者の死に直面しても淡々としている三歩に初めは反発していた久美だったが、あるとき隊長の野田から三歩の過去を聴き、徐々に三歩のあり方を受け容れられるようになっていく。そんなある日、山の天候が急変し、吹雪の吹き荒れる山中で多重遭難が発生!三歩や久美たちは、遭難者を救出することが出来るのか……?
映画『岳-ガク-』公式サイト もう観てからけっこう時間が経ってしまったので、印象が薄れてきているんですが。逆に言えば、それだけガツンと来るようなインパクトがなかった映画と言えます。 悪くはないんですよ。壮大な山の風景とかすごく綺麗で、スクリーンで観る映画ならではのスケール感、映像の広がりを感じられるし、山の魅力や過酷さ、そこで人命救助に当たる人々の真摯な思いや、山を通じて繋がっていく人々の絆なんかもそこそこきちんと表現されている。だから、けっして悪い映画じゃないと思うんです。 でも、とりたてて素晴らしい映画、という風にも感じない。映画の作りが網羅的というか総花的というか、核がないんですね。他が少々雑になっても、ここを描きたいとか、これを伝えたいというような部分がイマイチわからない。特に序盤の展開は詰め込みすぎで、新人の久美が救助隊に配属されてから、体験していくことをただ羅列したような感じで、一つ一つのシーンがぶつ切りで並べられていくので、ストーリーとして繋がっていきません。父親を山で亡くした少年ナオタのエピソードも、それ単体で見れば泣ける話ですが、この映画全体のバランスを考えると、べつに要らなかったんじゃないかなぁ。 冒頭で、クレバスに転落した男を三歩が救助に向かうのですが、そもそもあのシーンで、彼がクレバスに落ちたことがどうして救助隊に伝わったのかが謎です。同行者はいなかったようだし、転落した男自身が無線や携帯電話で救助を要請したような描写もない。このシーンに限らず、遭難→SOSを出す→救助に向かう→救助成功、という一連の流れが通しで描かれる場面がないので、救助活動の過程が見られないのも、なんか不自然ですね。 ともすれば感動の押し付けになりそうな物語ですが、意外と押し付けがましい感じになってないのは、主人公の三歩が淡々と飄々と、いつも笑顔でいるからでしょう。彼が泣いたり、怒ったり、感情をむき出しにしないからこそ、山の厳しさも過酷さも、美しさも楽しさもありのままに受け容れられる。そして三歩のあり方に触れて、久美もまた成長していくというところも、まあ鉄板ですが良いです。久美と父親のエピソードが途中まで伏せられているところがいいですね。 と、薄れていく記憶を掘り返して感想を書いてみましたが、ここら辺で限界。やっぱり、悪くはないけどそんなに心にも残らない作品という感じですねぇ。いちばんインパクトがあるのは、コブクロの歌だった、なんて。
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Theme:日本映画
Genre:映画

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レスキュー物とでも呼べば良いか。
災害・遭難現場での救助活動は、手に汗握る展開にしやすいことから、これまで多くの作品が作られてきた。
代表例は、古くは『タワーリング・インフェルノ』(1974...
人気コミック「岳 みんなの山」を原作に、山岳遭難救助をリアルに描いた 山岳ドラマ。高度な山岳技術を持ち、山の恐ろしさを知る主人公には原作を 愛読していたという小栗旬がふんし、高所恐怖症にもかかわらず氷壁登りや 懸垂下降に挑む。ヒロインの新人救助隊員を、小…
石塚真一の人気コミック「岳 みんなの山」実写映画化。
Twitterのフロワーさんに実際山登りが趣味だというひと兼映画関係のお仕事を
している人のついーとによれば突っ込みどころ満載だそうですがストーリ...
□作品オフィシャルサイト 「岳 -ガク-」□監督 片山修 □脚本 吉田智子□原作 石塚真一 □キャスト 小栗 旬、長澤まさみ、佐々木蔵之介、石田卓也、市毛良枝、渡部篤郎■鑑賞日 5月28日(土)■劇場 チネチッタ■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5...
平成23年5月8日(日)。 映画:「岳(ガク)」。 【監 督】片山修 【原 作】石塚真一 【脚 本】吉田智子 【音 楽】 佐藤直紀 【キャスト】小栗旬 (島崎三歩)・長澤まさみ (椎名久美)・佐々木蔵之介 (野田正人) 石田卓也 (阿久…
最近暑いよね~。この映画見たら少しは涼しくなるかなぁ。と言うわけで今回の記事は岳 -ガク-です。
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