闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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小説『ショートショートの花束3』阿刀田高・編

 もうすっかりお馴染みの(?)、『ショートショートの花束』シリーズ第三弾。前進の『ショートショートの広場』シリーズから数えると、じつに23冊目になります。いつも言うけど、全部読んでる僕は、なかなかのものだと思う。
ショートショートの花束3 (講談社文庫)ショートショートの花束3 (講談社文庫)
阿刀田 高

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 これは前にも書いたことだけれど、最近のこのシリーズは、以前と比べると明らかにクオリティが落ちてると思う。正直なところ、選者の阿刀田氏と僕の好みが乖離しているというのは、阿刀田氏が選者に就任した直後から感じていたことで、僕がこのシリーズを楽しめなくなっているいちばん大きな原因はそこだと思います。でも、投稿作品自体のレベルも、やっぱり全盛期よりは落ちてると思うんだよなぁ。
 
 「くさり」…生まれたときから意識の底に刻み付けられた、ある男の顔。私はその男への殺意を抱いたまま成長した。そしてその夜、ついに見つけたその男は、私にこう言った。「私はあなたを待っていたのですよ」と……。
 奇妙な宿命を背負った男たちの話。特別変わった話ではないけれど、文章が上手くて、引き込まれます。ひょっとしたらこの広い世の中、どこかにこんな宿命を背負った人がいるかも、と思わせる。

 「存在感」…ある雨の昼下がり、喫茶店に訪れた客は、犬を抱いていた。ペットの持ち込みを断ろうとする店員に、客は……。
 いるんだよなぁ、こういう人。公共の場でのマナー、大切です。大切に飼ってるからって、動物と人間を同一視するのは違うでしょ、と。店員氏の絶妙な切り返しと、すっとぼけた最後の一行が笑えます。

 「ふんどしの時間」…「和尚様、手紙が届きました。――拝啓、和尚様におかれましては……」
 これはバカバカしいけど、面白い。会話文だけで構成され、小説というよりは小噺に近いけれど、作者は常連さんだけあって、書き方が上手いです。こういうの、個人的には大好き。

 「天気予報」…今日の天気は晴れ。洗濯指数が100パーセント、ビール指数は90パーセント、星空指数も90パーセントだそうだ。おれは寝ぼけ眼でテレビを見ながら、嬉しそうに話すお天気お姉さんの声を聞いていた……。
 まさかそんなオチになるとは、と驚きました。お天気お姉さんの最後の台詞が素敵すぎる。現実のテレビで活躍するお天気お姉さんを思い浮かべながら読むと、ちょっと元気が湧いてくるかもしれません。

 「ライオン退治」…小さな小さな一匹のアリが、大きな野望を胸に旅に出ました。百獣の王ライオンを退治するという野望を胸に……。
 わー、そう来たか!ほのぼの、ゆるーい雰囲気が素敵な作品。アリさんたちが弄するライオン退治の秘策に驚き、それに対するライオンさんの見事な反撃、そして納得のオチ。誰も不幸にならない、楽しい作品です。

 「ワールドエンド」…無気力に生きてる中学生の僕は、放課後、クラスメイトの水野という女の子に呼び止められた。共に下校する道すがら、急に真顔になった水野は僕に訊ねる。「世界に終わりが来ることってあると思う?」
 ザ・青春というか、ザ・思春期だ。ショートショートでこんな真っ当な青春小説を読んだことは、たぶんないと思います。珍しい。思春期の男子のモヤモヤとした葛藤や感傷が、とっても瑞々しく描かれていて、最後はハッピーエンドに。そうだね、世界の終わりなんて、きっと来ないさ。

 「盲点」…ついに、博士は、時間を戻す装置を完成させた。「よし、さっそく試してみるか」。博士は冷蔵庫から卵を一つ取って戻ると、床に落として……。
 うーん、まさに盲点。これからタイムマシンを発明しようとする人は、こうならないように気をつけなくちゃね。ただ、このアイディア、過去に書かれたことはないのかなぁ?ありそうな気がしますけどね。でも、面白い。コントにして観てみたい。

 七編ほど紹介してみました。好みの問題もあるでしょうが、最近はスパッと切れる作品が少なくなっているので、必然バカらしいギャグや、ほのぼのとしたユーモア作品が印象に残りやすいです。あと、星新一的なSFショートショートも減ってるなぁ。阿刀田氏がSF作家じゃなくて、ミステリ作家だからでしょうか。でも日本のショートショートは、もともとSF作家が始めて、SF作家が育ててきたもののはず。やっぱりSFが、いちばん相性のいいジャンルだと思うんですけどね。
 なんか愚痴っぽいなぁ。最近、そういうの多いね。なんかストレス溜まってる?俺。
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Theme:読んだ本。
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comments(0)|trackback(0)|読書|2011-07-12_02:49|page top

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行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
でもその“理”を支えているのは、実はすべて直感と思い込みだったりもする。そういう人。

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