闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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映画『日輪の遺産 THE LEGACY OF THE SUN』

 『鉄道員』『地下鉄に乗って』など、数々の作品が映画化されている人気作家、浅田次郎氏の初期の傑作を映画化。『THE LEGACY OF THE SUN』という英題がめちゃ格好いい。
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 昭和20年8月10日――。陸軍省の大臣室に呼び出された陸軍近衛第一師団の真柴少佐と東部軍経理部の小泉中尉に、軍の幹部たちからある極秘命令が言い渡される。かつてフィリピンで山下将軍がマッカーサーから奪った時価900億円の財宝を、ひそかに隠匿せよ。この財宝は、やがて祖国が復興するための軍資金となる。皇軍は敗れるが、日本は不滅だ――。この任務を遂行するため、屈強の兵士である望月曹長と、20名の女学生たちが招集される。任務の本当の目的も知らされぬまま、懸命に働く女学生たち。その健気な姿を、心洗われる思いで見守る真柴たちだったが、任務を終えた真柴に下された最後の命令は、絶望的なものだった――。

 映画『日輪の遺産 THE LEGACY OF THE SUN』公式サイト
 
 原作小説はかなり以前に読んだことがありまして、読んでから時間が経ちすぎるので細かい筋までは覚えていないんですが、たいそう面白く、ドキドキしながら読んだ覚えがあります。当時から「映像化したら面白いだろうなぁ」と思っていたので、映画化されると知って、観にいくことを即断しました。

 で、映画を観た感想ですが、原作を読んでた当時に「映画化するとしたらここがネックになりそう」と思っていたところが予想通りネックになっていて、結果的に原作の持ち味を半分ぐらい削いでしまっています。だから、原作を知らない人がこの映画を観て「いい映画」だと思えるかどうかは僕には判断つかないけれど、率直に言って、原作の方がこの映画より5倍はいい出来だと、それは言えます。
 たとえば原作では、旧日本軍の財宝の在り処を示す手がかりを掴んだ現代の男たちが、その財宝を探し求めるアドベンチャー的なワクワク感がストーリーを牽引していましたが、映画ではすべての真相を知っている老婆が、孫たちに自分の体験を語って聞かせるという、どうやってもさほどドラマチックになりそうもない語り口に変わってしまっています。元々、現代と過去を行ったり来たりする語り口を映像でやるのは難しいだろうと思っていたし、原作の書かれたのがまだバブルの余韻が残る1990年代前半なので、今映画化されるに当たって、現代パートが大幅に改編されるのは仕方がないのでしょうが、それにしても宝探しのワクワク感がゼロになってしまったのは痛い。宝探しなどという無粋な真似に躍起になる俗物な主人公だからこそ、彼が「日輪の遺産」に込められた無名の人々の切なる願いや未来への想いに打たれる姿に読者もまた感動する(つまり娯楽性の高さこそが、シリアスなメッセージを伝える推進力になる)というのが原作の素敵なところだったのですが、映画では娯楽性が後退した分、メッセージ性も弱まったような気がします。
 逆に、親から子、子から孫へというような「命のつながり」の物語は、原作ではあまり描かれていない部分だったように思うので、そこをもっと強く表現してくれれば良かったのですが、実際はあまり強調されてなかったので、原作にはない、映画ならではの持ち味というのも弱いですし。

 とかなんとか文句を言ってますけど、そんなに悪い映画じゃないです。原作を読んでいなければ、ほとんど問題なく楽しめるし、感動できるのではないでしょうか。なにより、キャストの演技がよく、映画のいちばんのクライマックスとなるある「悲劇」のシーンは泣けます。
 だけどやっぱり、八千草薫の女学生時代がクラス一の美少女じゃないというのは、間違ってると思うなぁ。森迫永依がブスだというわけじゃないけど、65年後に八千草薫になる女の子じゃないでしょ。かなり後の方になるまで、てっきり生き残るのはスーちゃんだと思ってましたよ。
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TBありがとうございました
原作の書かれた時代とたぶん齟齬があるんじゃないかなあと見ていて感じた次第ですが、それは間違いじゃなかったようですね。
映画にするのに、むりむり今の時間に合わせなくても、90年代あたりから始めても良かったんじゃないでしょうかね。
参考になりました。ありがとうございます。
No title
こんにちは。
トラックバックありがとうございました。
こちらからもトラックバック送らせて頂きましたのでよろしくお願いいたします。
私は原作未読でしたが可憐な女の子とカッコイイ俳優さんに萌えを頂きました。それ以外もレトロ好きですしなかなか良かったです。
財宝は使われ無かったのでちょっと残念です。個人的にですが。

原作、分厚いので驚きました。
冒頭の卒業式の部分好きです。
別に金原老人は死ななくても良かったと思いますが。。。
八千草薫の若い頃を知らないのですが私は特に違和感は無かったです。
コメント御礼。
>>sakuraiさま。
90年代を舞台にしてしまうと、二重に時代劇になりますからねぇ。
ただもしかすると、これは終戦時に久枝と同じく14歳だったという八千草薫ありきの映画なのかもしれません。現代の久枝おばあちゃんを主役にするために原作を改変した、ということは、ないですかねぇ?

>>愛知女子さま。
若い頃の八千草さんは、まさに「絶世の美女」でございます。
漫画家の松本零二氏は、八千草さんをモデルにして自作のヒロインを描いたそうです。つまり「メーテル≒八千草薫」なわけですな。

プロフィール

Author:tamacat
行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
でもその“理”を支えているのは、実はすべて直感と思い込みだったりもする。そういう人。

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