闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

カレンダー

06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

月別アーカイブ

検索フォーム

広告!

ブロとも申請フォーム

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
HP Directplus オンラインストア
comments(-)|trackback(-)|スポンサー広告|--------_--:--|page top

小説『誘拐症候群』貫井徳郎

 元警官の托鉢僧・武藤隆が、身代金誘拐事件に巻き込まれる。犯人の狙いは?頻発する小口誘拐事件との関連は?環敬吾率いる秘密捜査チームが超法規的な手段で悪を制裁する『症候群』シリーズ第二弾。
誘拐症候群 (双葉文庫)誘拐症候群 (双葉文庫)
貫井 徳郎

双葉社 2001-05
売り上げランキング : 176137

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 新宿駅西口の地下通路で托鉢することを日課としている武藤隆は、同じ場所でティッシュ配りをしている高梨道典という青年と知り合う。ある日、その高梨の息子が誘拐され、身代金の運搬役に武藤が指名される。犯人の狙いは何なのか?一方そのころ、環たちのチームは、ここ一年ほどの間に頻発している小口誘拐事件を追っていた。はたして、二つの事件につながりはあるのか……。

 貫井徳郎オフィシャルサイト「He Wailed」
 
 『失踪症候群』に続く、『症候群』シリーズ二作目。『失踪』では、チーム環の一員である原田柾一郎が主役級の扱いを受けていましたが、本作では同じくチーム環の一員、武藤隆が主役になります。チーム環のメンバーが同じ事件を調べていた前作と違い、本作は武藤の追う事件と、ほかのメンバーが調べている事件が別のものなので、最初から最後までほぼ単独行動をとる武藤と比べると、環らほかのメンバーの影はかなり薄いです。ですが、視点となる人物が多すぎて散漫になってしまった印象もある前作より、軸がしっかりしていて、武藤の内面も深く描かれた本作の方が、個人的には好きですね。

 作品が書かれたのはまだインターネットが今ほど普及していいない時代で、接続方法も電話線を使ったダイヤルアップ接続というところになんとも時代を感じます。しかし、作中で取り上げられる日記サイトは今でいうブログにそのままつながりますし、そこで自分のプライバシーを無防備にさらしてしまったことが事件の遠因となるというのは、無防備・無思索なつぶやきでツイッターが炎上する現在の状況と通じていて、インターネットをめぐる問題の本質というのは10年以上前からあんまり変わっていないんだなと感じます。

 小口誘拐事件の黒幕を燻り出すために環が取る方法はまさに超法規的な手段ですが、感情論を一切排除して、目的のためにもっとも可能性の高い手段を迷いなく選ぶ冷徹さに、武藤が異を唱えるというラストは、この後のシリーズ最終作『殺人症候群』に向けて、やや波乱含みの展開を匂わせます。個人的には環のドライさは嫌いではないですが、彼の底の見えない冷静さの裏側に、どんな本音が隠れているのか気になるところです。次の『殺人症候群』でそういった謎が解き明かされるのだとしたら、非常に興味深いですね。
乱反射 (朝日文庫)乱反射 (朝日文庫)
貫井徳郎

朝日新聞出版 2011-11-04
売り上げランキング : 10042

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

空白の叫び〈上〉 (文春文庫)空白の叫び〈上〉 (文春文庫)
貫井 徳郎

文藝春秋 2010-06-10
売り上げランキング : 75542

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

夜想 (文春文庫)夜想 (文春文庫)
貫井 徳郎

文藝春秋 2009-11-10
売り上げランキング : 66617

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

スポンサーサイト

Theme:推理小説・ミステリー
Genre:本・雑誌

HP Directplus オンラインストア
comments(0)|trackback(2)|読書|2012-01-05_19:01|page top

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

誘拐症候群*貫井徳郎
誘拐症候群 (双葉文庫)(2001/05)貫井 徳郎商品詳細を見る 警視庁人事二課の環敬吾が率いる影の特殊工作チーム。そのメンバーのある者は私立探偵であり、托鉢僧であり、また肉体労働者である。今回の彼らの任...
『誘拐症候群』
貫井徳郎 『誘拐症候群』(双葉文庫)、読了。 小口誘拐の手口もスマートでしたが、 やはり、何といっても、大きな誘拐の方の手口はお見事! 犯罪小説の醍醐味の一つです。 ただ、その手口の鮮やかさと...

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

tamacat

Author:tamacat
行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
でもその“理”を支えているのは、実はすべて直感と思い込みだったりもする。そういう人。

参加ランキング

クリック感謝!

NetShop

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。