闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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小説『奇面館の殺人』綾辻行人

 館シリーズ九作目。中村青司設計の館で催される奇妙な会合。そこで推理作家の鹿谷門美が遭遇した前代未聞の事件とは?
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 資産家の景山逸史氏の別荘で催されるある会合に、自分に成り代わって参加してくれないか。知人の小説家・日向京助からそう依頼された推理作家の鹿谷門美。会場となる別荘は通称〈奇面館〉と呼ばれ、あの中村青司の設計によるものと聞かされた鹿谷は、日向の頼みを引き受ける。ところが、一泊二日の日程で催されるその会の二日目の朝、奇面館主人・景山逸史が起居していた部屋で、首と両手の十本の指を切断された死体が見つかる。しかも、鹿谷も含め会の参加者たち全員が、深夜眠っている間に鍵のかかる仮面を被らされていた。事件関係者のほとんどが脱げない仮面によって素顔を隠されているという、古今東西さまざまなミステリの物語中でも類を見ないような状況で、はたして犯人を見つけることは可能なのか?
 
 さて、館シリーズ九作目です。前作『びっくり館の殺人』のあとがきで予告されていたとおり、「不気味な仮面をモチーフにした館」が舞台となりました。
 読んでいる間中、ずっと違和感を感じていたんです。なんとなく館シリーズっぽくないなぁと。前作、前々作のようなホラーテイストがほとんど感じられないというのもその一因。ですがなにより、本作は鹿谷門美の視点で書かれた文章が大部分を占めているというのが、それ以前の館シリーズと大きく違うところだったと思います。このシリーズは毎回、趣向をこらした叙述トリックが仕掛けられているものですが、文章の視点人物が探偵役の鹿谷では、トリックは仕掛けづらいのでは?もちろんそんな僕の心配は杞憂に終わり、本作もしっかりと叙述トリックが仕掛けられていたわけですが。あとから読み返すと、あちこちに伏線があるじゃないですか。気づかない僕が迂闊なんです。ええ、解っておりますとも。
 本作には、病的な“表情恐怖症”という人物が出てきます。人の“内面”というあやふやなものが信じられない、だからそれを映し出す“表情”に恐れを感じてしまう。その人物はそんな風に語っています。「他人の表情が怖い」という、そのこと自体はまあ、僕も対人恐怖症みたいなところがありますから、理解できない話ではない。だけど、表情は怖いときもあるけれど、時にはそれを観れただけで幸せな気持ちにさせてくれるような、素敵な表情もあるはず。この人物は、そんな表情に触れてなお、怖いとしか思えなかったのだろうか?まあ小説上の登場人物に問いかけたところで仕方ないのですが、こういうキャラクターが出てくるというのも、ある面で綾辻作品らしいと言えます。

 以前から予告されているとおり、このシリーズは全十作構想ですから、いよいよゴールが見えてきました。シリーズ一作目『十角館の殺人』が発表されたのが1987年ですから、今年で25年もの歳月が経過しています。途中10年以上も新作が出ないという時期があったため(『黒猫館の殺人』と『暗黒館の殺人』の間)非常に刊行ペースが遅い印象がありますが、冷静に考えてみると25年で九作というのは、そんなにむちゃくちゃ遅いペースでもないような気がしますね。なにはともあれ、長い時間をかけて描かれてきたシリーズも、もうすぐ終わりが見えているのだと思うと少し、寂しくなります。
 綾辻氏といえば、映画『Another』が8月公開に迫っています。最近の執筆傾向を見ていると、館シリーズが終わったら、綾辻さんはいよいよホラー作家に転向してしまうんじゃないか?なんて心配も湧いてきますが、はてさてどうなるやら。とりあえず映画『Another』は見に行くぞ。
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comments(0)|trackback(2)|読書|2012-05-18_22:37|page top

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まとめtyaiました【小説『奇面館の殺人』綾辻行人】
 館シリーズ九作目。中村青司設計の館で催される奇妙な会合。そこで推理作家の鹿谷門美が遭遇した前代未聞の事件とは?奇面館の殺人 (講談社ノベルス)綾辻 行人 講談社 2012-01-06売り上げランキング : 3461Amazonで詳しく見る by G-Tools 資産家の景山逸史氏の別荘で?...
『奇面館の殺人』 綾辻 行人 著
 奇面館主人・影山逸史に招かれた六人の男たち。館に伝わる奇妙な仮面で全員が“顔”を隠すなか、妖しく揺らめく“もう一人の自分”の影…。  季節外れの吹雪で館が孤立したと

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Author:tamacat
行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
でもその“理”を支えているのは、実はすべて直感と思い込みだったりもする。そういう人。

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