闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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小説『大久保町の決闘』田中哲弥

 一部でカルト的な人気を博す異色作家・田中哲弥氏の長編デビュー作。ボーナストラックとして本編の前日談「三人の名付け親」も収録。
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 兵庫県明石市大久保町はガンマンの町である。
 受験を控えた高校三年生の笠置光則は、勉強に専念しようと母の田舎である大久保町へやってきた。しかし町について早々、撃ちあいに巻き込まれるわ、凄腕のガンマンだと勘違いされて英雄扱いされるわで驚きの連続。祖母に琴を習っている紅葉という少女に一目惚れするが、その紅葉が町を牛耳る村安兄弟に誘拐され、光則は村安が雇ったガンマンたちに命を狙われることになる。
 
 兵庫県明石市大久保町は、何を隠そう、僕の故郷である。高校卒業まで住んでいて、小学校から高校まで、町内の学校に通っていた。
 本作に書かれてあるとおり、大久保町はガンマンの町である。男たちはみんな、腰にホルスターをぶら下げている。そんな町に住んでいたから、僕も当然、銃ぐらい撃ったことがある。決闘ももちろん経験済みだ。飛び交う銃弾の嵐の中をくぐり抜けてきたからこそ今の僕がある。洋服の下には、過去の撃ちあいで負った傷跡がいくつもある。大久保町の男にとっちゃ、勲章みたいなもんさ。ぶっちゃけ、早撃ちだったら次元大介にも負けないぜ。嘘だと思うなら、試してみるかい?

 ……はい、嘘です。お分かりだとは思いますが。
 高校卒業まで大久保町に住んでいた、というのは本当。だけど大久保町はごく普通の、どちらかといえば治安の良い住みやすい町で、ガンマンなんていません。

 何年か前、新聞の夕刊に田中氏のインタビューが載っていて、氏が大久保町在住で、しかも自分が住んでいる大久保町を舞台にした小説を書いているということを知ったのですが、作品名をきちんと覚えていなかったこともあり、今まで読む機会は持てないでいました。しかし最近、田中氏が『真かまいたちの夜 11人目の訪問者』の執筆陣に名を連ねていて、忘れていた作品名も確認できたので、満を持して(?)読んでみました。
 まあギャグ小説なので、真面目に論評することもないような気もしますし、僕の場合、大久保町出身ということがこの作品の印象に大きく影響してしまっている部分もあるので、客観的にこの小説がいいのか悪いのか、面白いのかどうかというのはよくわかりません。ただ、Amazonでは高く評価されてるみたいですし、小説=真面目で知的なもの、という固定観念を持たずに読めば、まあまあ楽しめるのではないでしょうか。
 主人公の光則は大久保町では伝説と化した元保安官助手の息子。そんな血筋ゆえに、ちょっとした事からとんでもないヒーローに祭り上げられていくのですが、当の本人は至って頼りない少年。受験勉強のために大久保町に来たはずなのに、勉強もせず毎日ボーっとしているダメ高校生です。小説の主人公としてはなんとも覇気がない人間ですが、十代の男子なんて、実際はこんなもんでしょうね。

 ボーナストラックとして収録された「三人の名付け親」もなかなか面白いですが、本書で何より面白いのは、じつは本の仕様そのものかもしれません。映画のDVDソフトみたいな仕様になっていて、目次はDVDのチャプターリスト風、巻末近くにはオーディオ・コメンタリーと称するオマケの章つき、本のカバーにはDVDそっくりの“製品仕様”表記までついてます。本の体裁でここまで遊んだ小説は、僕はほかに知りません。
 そんな感じで、笑えるギャグ小説です。そういうのを読みたいという人には、お勧めします。真面目な小説しか読まないよという人は、どうぞスルーしてください。
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comments(0)|trackback(1)|読書|2012-07-12_02:28|page top

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田中哲弥 『大久保町の決闘』 ~地元です。でも別世界です。でも面白いです~
大久保町の決闘―COLLECTOR’S EDITION (ハヤカワ文庫JA)田中 哲弥 早川書房 2007-03売り上げランキング : 374085Amazonで詳しく見る by G-Tools 最近仕事と私生活ともにバタバタしてて、気づけ

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行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
でもその“理”を支えているのは、実はすべて直感と思い込みだったりもする。そういう人。

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