闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

カレンダー

06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

月別アーカイブ

検索フォーム

広告!

ブロとも申請フォーム

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
HP Directplus オンラインストア
comments(-)|trackback(-)|スポンサー広告|--------_--:--|page top

小説『Another』綾辻行人

 2010年版「このミステリーがすごい!」第3位に輝き、TVアニメ化、実写映画化もされるなどしている話題作。作者自ら「新たな代表作」と自負する傑作ホラー・ミステリー。
Another(上) (角川文庫)Another(上) (角川文庫)
綾辻 行人

角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-11-25
売り上げランキング : 4842

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

Another(下) (角川文庫)Another(下) (角川文庫)
綾辻 行人

角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-11-25
売り上げランキング : 6082

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 父の海外赴任のため、一年間、夜見山市にある母の実家に世話になることになった榊原恒一。しかし引越し早々自然気胸を発症し、入院してしまう。退院後、約一ヶ月おくれて夜見山北中学三年三組の一員となった恒一は、クラスを覆う不可解な雰囲気に気づく。入院中の病院で出会った、眼帯をした少女・見崎鳴が同じクラスにいたのだが、恒一が彼女と接触するたび、周囲のクラスメイトが妙に慌てたような態度をみせるのだ。仲良くなったクラスメイトも、彼女のことについては口を濁すばかり。謎が深まる中、クラス委員の桜木ゆかりが校内で事故死するという悲劇が起きる。しかしそれは、さらなる惨劇の幕開けにしか過ぎなかった――。

 映画『Another』公式サイト
 
 「このミス!」第3位とか、本格ミステリ大賞でも最終候補に残ったとか、そういう実績を考えると「ミステリ」、つまり推理小説のはずなんだけど、途中まで、というかほとんど最後まで、ミステリっぽさ皆無です。完全にホラー。まあでも、僕は綾辻作品はだいたい読んでいて、あの『殺人鬼』シリーズも読んでいましたので、ああいうことなんだろうな、と想像はつきましたが。

 〈死者〉は、誰――?

 本作の唯一にして最大の謎。クラスに紛れ込んだ〈死者〉は誰なのか。そして、クラスを襲う『現象』を止めることはできるのか――?
 ミステリとしては、ラストのどんでん返し一発、という作品ですが、この手のトリックはお手の物の作者だけあってさすがによくできています。伏線もあるし、真相が明らかになったときの驚きもある。ただ、〈死者〉の正体がその人だったという部分はともかく、その人が実は……という部分は、べつに隠さなくても良かったんじゃないかな、という気もします。そこを明らかにして描いたところで、〈死者〉の正体に直結する話ではないし。
 とはいえ、本作は推理物としてどうこうというより、むしろ青春ホラー小説として読み、評価すべき作品だろうと思います。その観点で見れば、充分にいい雰囲気を醸し出していて、高く評価されるものだと思います。怖い、というよりは〈不思議〉で〈不気味〉なムードが満載で、また中学生が主役の青春小説らしく、瑞々しく透明感のある雰囲気も好感が持てます。〈球体関節人形〉や妙に不気味な老婆など、ヘンなものへの偏愛が伺えるのは綾辻作品らしさ。眼帯をした美少女、というのはエヴァっぽいですが、綾辻さんがエヴァ好きだとは聞かないなぁ。

 この小説を実写映画化した作品が8月に公開予定となっていますが、非常に楽しみになってきました。小説版のトリックは映像化不可能な部分があるので、たぶん〈死者〉は小説版とは変えてくるんだと思います。アニメ版でも変えてあるのかな?
 ともかく、まさに綾辻作品、綾辻ワールド全開という作品ですが、作者自身が「新たな代表作」と自賛するだけあって、非常に面白い作品でした。綾辻氏の過去の作品でいうと、『黄昏の囁き』にちょっと似ているかな?文庫版は上下に分かれていて、けっこう長めの作品ですが、長さが苦になることはまったくなかったです。映画版は8月4日公開。見崎鳴役は、『貞子3D』で貞子役を演じた注目の若手女優・橋本愛が演じます。映画の公式サイトなどを見ると、橋本=鳴ちゃんのビジュアルも非常にいい感じですので、そういった点も含めて、映画も期待できそうです。
黄昏の囁き (講談社文庫)黄昏の囁き (講談社文庫)
綾辻 行人

講談社 2001-05-15
売り上げランキング : 243621

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

殺人鬼  ‐‐覚醒篇 (角川文庫)殺人鬼 ‐‐覚醒篇 (角川文庫)
綾辻 行人

角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-08-25
売り上げランキング : 84108

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

Another (1) (角川コミックス・エース 170-5)Another (1) (角川コミックス・エース 170-5)
清原 紘

角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-10-04
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

スポンサーサイト

Theme:推理小説・ミステリー
Genre:本・雑誌

HP Directplus オンラインストア
comments(2)|trackback(1)|読書|2012-06-28_03:58|page top

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

綾辻行人 『Another』 感想
Another 0巻 オリジナルアニメDVD同梱版 (カドカワコミックス・エース)清原 紘 綾辻 行人 角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-05-24売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools ...

コメントの投稿

非公開コメント

著者の新たな道
良かったです。正直映画では何とも言えない不完成感しか残らなかったですが、ホラー作品でありながらそこに至る過程はきっちりと描かれており、人物描写もくどくない程度に完成しています。

久保寺先生の死に関しては全く同意見ですね。ただの犠牲者の一人として描かれた映画と違い、小説では数々の犠牲者の中でも抜けて印象に残る人物です。ホラー作品の見所としてもなぜ改変してしまったのかが不思議。
「アヤツジホラー」というジャンル。
>>峰川幸介三世さま。
毎度コメントありがとうございます。
さほど怖くない、というマイナス点を考慮しても、ミステリーホラーとして非常によく出来ていますよね。
「現象」に対して、様々や対策や検証が試みられたうえで、この物語に至っているという点が重要です。

恒一や鳴と、勅使河原、風見、望月らが友情を育む描写も、青春小説らしさを醸し出していて、魅力的な部分です。
映画ではそこもすっかり省かれちゃって、残念至極ですね。

プロフィール

tamacat

Author:tamacat
行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
でもその“理”を支えているのは、実はすべて直感と思い込みだったりもする。そういう人。

参加ランキング

クリック感謝!

NetShop

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。