闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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小説『警官の紋章』佐々木譲

 『笑う警官』『警察庁から来た男』に続く「道警シリーズ」第三弾。洞爺湖サミットの警備で大わらわの北海道警を見舞う、さらなる事件とは……。
警官の紋章警官の紋章
佐々木 譲

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 洞爺湖サミットを目前に控えた北海道警。道警中の警察官が対テロ警備に忙殺される中、小島百合はサミットに出席する法務大臣の警護を命じられる。時を同じくして、交番勤務の警官が一人、拳銃を所持したまま行方をくらませた。警察学校教官を勤めていた津久井卓に、その警官の捜索命令が下る。他方、大通署の佐伯宏一は愛知県警の刑事から、二年前の四輪駆動車密輸事件の捜査に関するある疑惑を打ち明けられる。あの「郡司警部事件」はまだ終わっていなかったのか?それぞれの正義を胸に、職務に当たる彼ら。そしてついに迎えたサミット警備結団式で、最悪の事件が起こる……!
 


 道警シリーズ三作目。一作目の『笑う警官』は映画化されていて、個人的にはその映画の印象がすごく強くて、逆に小説のほうをあまり覚えていないぐらいなんですが、世間的には映画の評判があまり良くなかったようで、第二弾が作られるというような話はついぞ聞きません。原作の方は、作を重ねるごとに魅力を増しているから、映画もシリーズ化して欲しいんだけどな。

 さて、本作『警官の紋章』の感想ですが、洞爺湖サミットという実際にあった出来事を背景に、大臣への暗殺予告と道警の闇、そこからさらに検察や税関まで巻き込んだ巨大な不正疑惑と、それに立ち向かう佐伯たち警官の姿が描かれます。
 とにかく、巨悪に立ち向かう佐伯たちの姿が今回も格好良い。それにつきます。犯罪を憎み、市民の平和と安全のために体を張る警察官たち。その職務への誇りと矜持が『警官の紋章』というタイトルに象徴されています。
 事件の中身としては、特に佐伯が調査する自動車密輸に関してや、津久井が追う失踪警官の事情などは、このシリーズの過去作品と密接に関わっています。一応、過去作品を読んでいなくても概要が理解できるように説明は尽くされていますが、過去の二作を読んでいれば、より楽しみは増すでしょう。
 不満を挙げるとすれば、小島百合の描かれ方かなぁ。仕事へのモチベーションが、ともすればイケメンSPにいいところを見せたいという色気だけのように見えてしまう。実際は正義感に厚い、立派な警察官だということは、本作の冒頭でストーカーから女性を救うシーンを見ても解るのですが、それだけに、警視庁のSPと行動を共にするようになってからの彼女の描写は、いささか偏っているように思います。

 このシリーズは北海道警で実際にあった不正「稲葉警部事件」をモデルに、警察組織の闇と病巣の深さをリアルに描いていますが、単に警察の不正を糾弾するというのではなく、佐伯たちのような、一つ一つの事件と直接向き合う現場の警官たちの正義と職務への矜持をしっかりと描いて、“信頼できる警察”という希望を描き出すことにも重点が置かれていると思います。叩くだけでは何も良くならない。確かに不正を働くやつもいるかもしれないが、多くの警官は、正義のために日夜、身を粉にして働いている。そう信じなければ、正義も覚束ない。佐伯や津久井のような警官たちが、きっと多くいることを、僕ら一般市民は信じてあげなければいけないでしょう。
 このシリーズは今のところ、第六弾まで出ているようです。――ってそんなに出ていたのか。これは慌てて読まなければ。今までの三作は全部面白いので、続きも読んで行きたいです。
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Theme:推理小説・ミステリー
Genre:本・雑誌

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comments(0)|trackback(0)|読書|2012-12-24_03:14|page top

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行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
でもその“理”を支えているのは、実はすべて直感と思い込みだったりもする。そういう人。

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