闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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小説『毒 POISON ポイズン』赤川次郎

 現在読売テレビ・日本テレビ系列で放送中のドラマの原作。10年ぐらい前に一度読んでいるのですが、ほとんど内容を覚えていなかったので、再読してみました。
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赤川 次郎

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 わずか一滴飲んだだけで心臓麻痺で死に至り、いかなる科学捜査でも検出することは不可能。しかも効果が出るのは飲んでから24時間後。そんな、完全犯罪を約束する究極の毒薬が、大学の研究室から消えた。そしてその毒は人から人へ転々と彷徨い、手にした者の運命を狂わせていく……。

 読売テレビ『毒〈ポイズン〉』公式サイト
 


 連ドラ版の第1話を見たとき、原作とは時代も違うし、たぶん内容はだいぶ改変されているんだろうと思っていたのですが、原作を再読してみて、意外にも原作のストーリーをしっかりなぞっていたのに驚きました。と同時に、自分が原作の内容をほとんど完全に忘却していることにも気づいたという次第。もっとも、10話ほどある連ドラに対して原作は4話しかないので、連ドラは原作をなぞった話と、ドラマオリジナルの話が半々ぐらいの配分になっているようです。

 「男が恋人を殺すとき」…雑誌記者の秋本俊二は、大学の研究室に勤める恋人の笹田直子から“究極の毒薬”にのことを教えられる。そして秋本はある目的のために、その毒薬を盗み出す……。
 連ドラ版でも第1話で描かれたお話。内容は原作、ドラマともほとんど一緒ですが、唯一違うのが秋本の恋人・笹田直子の存在と“毒”の発見者・松井教授の設定。ドラマでは神出鬼没で得体の知れない謎の人物として描かれている松井ですが、原作では研究バカで悪意など持たない科学者であり、毒が人手に渡るのも松井の意図しないアクシデント。松井の助手である直子は、恋人である秋本が毒を持ち出し、しかも実際に使用したことに責任を感じて、以降作品を通じて、毒の行方を追うことになります。ドラマでは臼田あさ美が演じている女性刑事、笹本直美と、所属や立場は違いますが同じ役割をしていますね。考えてみたら名前も似てるし。

 「刑事が容疑者を殺すとき」…刑事の中野は、自分がかつて取り調べた少女誘拐殺人事件の容疑者・原田が、近所に住んでいることを知る。自分を恨んでいる原田からの報復を恐れた中野は、密かに手に入れた毒を使って原田を亡き者にしようとする……。
 ドラマでは前後編にわけて放送されたお話。結末付近の内容が少し改変されていましたが、概ね同じ話です。子を思う親の愛情は胸に迫りますが、少なからず暴走気味にも見えるのは、作者が意図したことなのかどうか。悲劇的な結末は、中野の暴走が呼び込んだとも取れます。

 「スターがファンを殺すとき」…牧本弥生は人気絶頂のアイドル。しかし最近、所属事務所が弥生に見切りをつけ、次のスターを売り出そうとしているということを自身の熱狂的なファンだという人物から教えられる。弥生は毒を使い、自分の人気を脅かす後輩を殺そうとする……。
 これはドラマ版では、かなりアレンジされていた話。ドラマでの弥生はアイドルではなく雑誌モデルで、それもアルバイトしながらモデル活動をしている苦労人という設定でした。結末も、弥生が破滅を迎える原作に対し、ドラマでは殺害計画が失敗し、モデルとしての未来を失ってもなお、自身の人気モデルとしてのプライドと人間としての意地を失わず、このままでは終わらないと思わせる。そんな強さを持ったドラマ版の弥生は、原作の弥生よりも好感が持てましたね。原作の弥生はただの世間知らずでわがままな小娘で、まったく好感が持てません。現実の人気アイドルがこんなのじゃないことを祈りたいですね。

 「ボーイが客を殺すとき」…ホテルマンとして働く裏で、無政府主義のテロリストである笹谷。毒を手に入れた彼は、勤務するホテルで近く行われる予定の、総理大臣の息子の結婚式で、その毒を用いて政府要人を軒並み暗殺しようとする……。
 これはまだドラマになってません。現代の社会状況で、この設定・ストーリーをドラマ化するのは少し無理がある気もしますし、結末はこの困った物語に無理やり収拾をつけたようなところもあり、ご都合主義的な感じがします。ただ、最後のエピローグ的な部分では権力者への皮肉が利いていて、今の政治状況を思うと、笑ってもいられないという感じです。

 連ドラ版に関していうと、原作をなぞった話よりも、ドラマオリジナルの話のほうが個人的には好きですね。人を呪わば穴二つというか、他者への悪意が自分へ跳ね返ってくる様をストーリー化しているのが面白く、また女性がストーリーのキーパーソンになる話が多いのですが、演じる女優たちの熱演が光っています。
 軽快でユーモアの利いた作風というイメージの赤川作品としては珍しく、毒というアイテムを触媒にして人間の“潜在的な悪意”を描くという、ダークでどろどろした内容の本作。ですが、文章は赤川作品らしく非常に読みやすいので、どろどろした内容でもあまり重くはなりません。赤川次郎がこういう作品を書いたということも踏まえると、非常に興味深く読めます。赤川次郎という作家の実力や懐の深さを再認識させられる作品ですね。
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行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
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