闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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映画『妖怪人間ベム』

 人気ドラマの劇場版。人間になるために悪を取り込むことを拒否し、あてのない旅を続ける三人が出会った、新たな物語。
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 それはいつ生まれたのか誰も知らない。暗い、音のない世界で、一つの細胞が分かれて増えていき、三つの生き物が生まれた。彼らはもちろん人間ではない。動物でもない。人間になれなかった、妖怪人間である。
 「人間になりたい」という夢を抱きながらも、その醜い姿のため、人間から迫害され続けるベム・ベラ・ベロの三人。あてのない旅を続ける彼らがやってきたのは、ある海辺の町。ずっと以前にも一度来たことのある町だ。その町で三人は、足を怪我した少女みちるに出会う。みちるにほのかな恋心を抱くベロ。そのころ町では、大手製薬会社MPLの役員が刃物で切りつけられて命を落とす事件が相ついでいた。

 映画『妖怪人間ベム』公式サイト
 


 連続ドラマの映画版。僕自身は連ドラから観ているのですが、連ドラを観ていない人からみたら、この作品はどう映るのだろう?
 劇中、ベムが悩まされる“名前のない男”の幻影と、ベムの回想によって、彼らの出生の謎や“名前のない男”が人間の〈悪〉を解放する存在であることといった基本設定が解説されます。時間の限られる中でうまく説明しているとは思うのですが、それでもドラマで10話かけて描いた彼らの苦悩や葛藤が、映画だけ観た人にどれほど伝わったのか。
 また、これはドラマ版からそうなんだけど、けっこう掴みどころがない作品だとも思います。核になる明確なテーマのようなものが、それほどわかりやすく作られてはいない。あくまでファンタジーだから荒唐無稽ではあるんだけど、それほど破天荒なというか、派手な作りをしているわけではない。だからといって、現実的な本物っぽさを厳密に再現しようとしているわけでもない。そういう微妙な塩梅を、初見で理解し納得できる人がどれくらいいるのかということは、心配な点ではあります。

 連ドラでは、普通の人々が抱える日常的な不満や怒りの感情が“名前のない男”によって暴走させられるという話がほとんどでしたが、今回は大手製薬会社による情報の隠蔽という、かなり大掛かりな〈悪〉が描かれます。副作用が出るのはごくわずか、大多数の人々はその薬によって救われるのだから、薬を回収しない方が正義だというMPL社長の主張は、善と悪の線引きの難しさ、人を助けることの困難さを考えさせます。そんな社長に対して「俺は誰も傷つけたくない」というベムの優しさ。もし絶対的な正義があるとしたら、この優しさこそなんだろうな。

 ドラマ版ではそれほどアクションの印象は強くないですが、映画ではけっこう激しいアクションシーンがあります。中盤の林の中で繰り広げられるシャープなアクションシーンも見もの。亀梨ベムがかっこいい。またクライマックスのアクションでは、怪物と化してしまった人間の悲しみが溢れ、アクションシーンでなおかつVFXをふんだんに使ったシーンでありながらも、感情のこもったエモーショナルなシーンとなっています。このシーンに流れる、不安や恐怖を掻き立てるような音楽も素晴らしい。

 欠点を挙げるとすれば、人間になれるかもしれない可能性があったのに、結局それを自らの意思で放棄してしまった三人の真意がいまひとつはっきり伝わらなかったことでしょうか。“名前のない男”そのものを取りこまなければならなかったドラマ版と比べたら、だいぶ受け容れやすい条件になっていると思うのですが、それでも〈悪〉を取り込むことに大きな拒否感があるのでしょうか。

 みちるの父・達彦がかつてベムたちに助けられた少年であり、そしてその娘みちるを再びベムたちが助けたこと、そして彼らがまたみちるや達彦の前から去っていくシーンを見ていると、彼らの物語はこんな風にして、いたるところで繰り返されているのだろうと感じます。“名前のない男”の言うように、悪はいくら倒しても、何度でも芽生えるでしょうが、ベム・ベラ・ベロたちが正義の種を撒き続けていくことで、きっとこの世界に、優しい正義の心を持った人が増え、いつか悪を乗り越えていける世界になる。そのときが来るまで、ベムたちは人間にならず、妖怪人間として戦い続けるのでしょう。この映画は「これで終わる」と謳っていますが、続編がある可能性もあると思います。ただ一つのネックは、ベロ役の鈴木福君の成長。続編を作るとしたら、彼が大きくなりすぎないうちに、ですね。



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映画 『妖怪人間ベム』 感想
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