闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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小説『忌館 ホラー作家の棲む家』三津田信三

 ホラーとミステリを融合させる作風で高い評価を受けている作家・三津田信三氏のデビュー長編。本編の後日談「西日」も収録した「ホラー作家の棲む家」完全版。
忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫)忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫)
三津田 信三

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 雑誌編集者の仕事をしながら小説を書いている私、三津田信三はある日、家々の間に埋もれるようにして建っている旧い洋館を見つける。折りしもある同人誌から怪奇小説の執筆依頼を受けていて、雰囲気のある洋館に住むことができれば小説のインスピレーションが得られるかもしれないと考えた私は、偶然見つけたその洋館に居住することをきめる。目論見どおり執筆は順調に進んでいくが、書き進めるにつれ物語は私の思い描いていたものからかけ離れていく。そして家の屋根裏で、この家そっくりに作られた家のミニチュア――ドールハウスを見つけた頃から、私の身辺に奇怪なことが起こり始め……。


 以前、本格ミステリ大賞のHPを見ていてたら、賞の候補に3年続けて、それも明らかにシリーズものと思しき同系統のタイトルの作品でノミネートしている作家がいて、それが三津田信三氏でした。それも3年目にはきっちり大賞を獲っている。当事三津田氏のことは名前も知りませんでしたが、本格ミステリ大賞の候補に3年連続で挙がる作家なんてそうはいない。本格好きとしていつかは読もうと思っていました。本書『忌館 ホラー作家の棲む家』はその三津田氏のデビュー作にあたります。
 とはいえ、本作はミステリではなく、純粋なホラー作品。普段ホラーは滅多に読まないのですが、それはべつにホラーが嫌いだからではなく、ホラー以上にミステリ系作品の方により読みたい作品が多いという、単純な優先順位の問題。なので、綾辻行人氏の『眼球綺譚』のように、よく読んでいる好きな作家の作品でもなければ、なかなかホラーを読む機会はないのですが、本作は本格ミステリ作家として高い評価を受ける著者のデビュー作ということで、期待を持って読みました。

 そんなにむちゃくちゃ怖い、という作品ではありませんし、けっこう後半になるまでホラーっぽい出来事はほとんど起こらないので、“怖さ”という部分でいえばそんなに刺激は強くないです。ですが、終盤に作中の現実とフィクションの境目が曖昧になっていき、得体の知れない違和感が一気に恐怖となって暴走し始める展開は迫力があり、ページを捲る手を止まらなくさせるだけの力がありました。
 ちなみに本作は、著者自身の実体験をもとに書かれたということになっています。ホンマかいな、という問いに対する答えは本書の解説に譲りますが、著者がかつて雑誌編集者だったことは事実ですし、作中の主人公が手がける雑誌の企画などは、編集者時代の著者が実際に手がけていたものらしいです。どこまでが現実でどこからが創り話なのか――作中作と作中の現実だけでなく、作品世界と作者や読者が属している現実との境目すらも曖昧にしていくところに、本作の面白さと怖さの源泉があると思います。

 ……などとそれっぽいことを書いてみましたが、そもそもホラーは読みなれていないので、論評のしかたもよくわかりません。ただ言えることは、面白かったということと、初めて読む作家でしたが、特に読みにくさなどは感じなかったということ。いずれは三津田氏の代表作であり本格ミステリ大賞も受賞した〈刀城言耶〉シリーズを読んでみたいと思いますが、その前に〈作家三部作〉と呼ばれる初期作品からやっつけるつもりで、すでに『作者不詳 ミステリ作家の読む本(上)(下)』は購入済み。こちらは比較的ミステリ寄りの作品集だそうで、ミステリならこっちの本領でもあるので、楽しみです。また好きな作家を見つけてしまったかな。
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Theme:推理小説・ミステリー
Genre:本・雑誌

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行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
でもその“理”を支えているのは、実はすべて直感と思い込みだったりもする。そういう人。

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