M-1グランプリ2007 その2
2007/12/25 ( Tue )
予告したとおり、昨日の(あ、もう一昨日になっちゃったか)のM-1グランプリについて、コンビごとの感想なんかを書きます。
準決勝から勝ち上がった決勝進出コンビ8組は、笑い飯、POISON GIRL BAND、ザブングル、千鳥、トータルテンボス、キングコング、ハリセンボン、ダイアン(ネタ披露順に記述)。そして、敗者復活戦を勝ち抜いた9組目のコンビが、サンドウィッチマンです。
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準決勝から勝ち上がった決勝進出コンビ8組は、笑い飯、POISON GIRL BAND、ザブングル、千鳥、トータルテンボス、キングコング、ハリセンボン、ダイアン(ネタ披露順に記述)。そして、敗者復活戦を勝ち抜いた9組目のコンビが、サンドウィッチマンです。
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ネタ順に感想。以下、基本的に敬称略です。
【笑い飯】…2002年大会から六大会連続で決勝進出という、もはやM-1の顔的存在。しかし、今回も悲願の優勝はならず、最終決戦進出さえも逃して5位に終わった。
彼らがつまらなくなった、とは僕は思わない。初登場時から変わらずにずっと、おもしろいと思う。ただ、かつての彼らが持っていた、単なるおもしろさ以上の《破壊力》が、今は感じられない。
初めてM-1に殴りこんだとき、彼らは確かに《破壊者》だった。《Wボケ》というスタイルで漫才の常識を破壊し、怒涛のごときボケの連打で見るものの理性を破壊し、さらにはコンビ同士が互いのアピールを《破壊しあう》という、信じがたい荒業をもこともなげにやってのけた。ところが今はどうだろう。Wボケは今や新たな《常識》となり、場数を踏んだ彼らは客席の空気を読むようになった。そしてネタにおいても、互いに殴りあうようなかつてのスタイルではなく、お互いが協力して、調和の取れた漫才を志向しているように見える。
それは彼らなりの試行錯誤なのだろう。だけど、そうじゃないんだ、と僕は思う。観客の空気を読みながら、「笑ってください」というような柔らかい口調でネタをする、そんな笑い飯なんて誰も見たくないんだと。もっと独善的で攻撃的で、客の都合なんか無視して遮二無二ボケまくる。「俺のおもしろいボケを喰らえ!」とボルテージをマックスにして、フルスロットルで暴走してこそ《笑い飯》だと。
もう一度《破壊者》になること。笑い飯が復権するためには、それしかないと思う。
【POISON GIRL BAND】…僕自身は、彼らの笑いは大好きです。だけど、松本人志も言っていたとおり、M-1向きじゃない。松本が挙げた時間の制約もあるけど、それ以前に、彼らのネタはどこまで行っても《王道》ではなく《蛇道》だというのが問題。
当初は蛇道だと思われていた笑い飯のスタイルが、時を経て王道になりつつあることは、中田カウスが「今は彼らを真似する若い子が多い」とコメントしていたことからもわかる。しかし、POISON GIRL BANDは、たとえ彼らがこの先何十年、第一線で活躍を続け、TVで漫才を披露し続けても、「真似する若い子」なんてほとんど出てこないと思う。というより、真似したくてもできない。《蛇の道は蛇》というが、あのスタイルはPOISON GIRL BANDにしかできないはずだ。
要するに、彼らは本質的に《ニッチ》で《キワモノ》な芸人なのだ。そんな芸人が、優勝者の席――つまりトーナメント表の《ど真ん中》――に行ける筈がない。ニッチなやつは、ニッチな場所にしかいられないのだ。
そんな彼らが、これまでに三度も決勝進出を果たしているのは、たぶん予選審査員に余程ニッチ芸人を偏愛する人がいるのか、あるいは決勝審査員の大竹まことによほど気を遣わなければいけない事情がABC朝日放送にあるのか、どちらかだろう。いずれにしろ、非合理的で非生産的な選考だと思う。POISONには悪いけど、彼らを出すぐらいなら、その枠を他の無名芸人に開放してやってほしい。
だけど、個人的には大好きですよ、彼らの笑い。
【ザブングル】…今回の出場者の中では、いちばん印象に残っていない。彼らのネタは以前にも見たことがあるけれど、今回のM-1のパフォーマンスを見た印象は、「あれ?こんなもんだったっけ」というもの。もっとおもしろいネタを持ってる筈じゃなかったっけ?と思った。
少々、顔芸やアクションに頼りすぎたか。オール巨人が79点という、全審査員中でいちばん低い点をつけているのも、顔芸と大声と大げさなアクションという《力技》に、安易に頼ったことへの批判だろうと思う。
逆に、松本人志が全審査員中二番目の高得点(90点)をつけていることには驚いた。斬新なイマジネーションが迸るようなネタを好むと思われている松本にあって、今回のザブングルにこの高得点というのは何だろう。もしかすると、初見だったのかもしれない。他のコンビは実力を知っている分、ハードルが上がってしまうが、ザブングルは先入観なく見られたため、素直に彼らのおもしろさを受け止めることができた、そういうことではないだろうか。でもそうだとしたら、審査の公平性ってのはえらく曖昧なものである。まあ、M-1の審査員に関しては、僕は以前から色々と疑問を持ってるんだけどね。
もっと簡潔なコメントでまとめるつもりだったのだけれど、笑い飯とPOISONに関してはちゃんと書きたいという気持ちが抑えきれなくて、長くなってしまいました。続きはまた明日。
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