闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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小説『ショートショートの花束5』阿刀田高・編

 「小説現代ショートショート・コンテスト」2009年十二月号~2010年十一月号までの入選作を集めたシリーズ第25弾。ユーモアや恐怖、そして寓意が詰まった59編。
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阿刀田 高

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 「小説現代ショートショート・コンテスト」の入選作を集めたこのシリーズは、前身の『ショートショートの広場』も含めて全部読んでいるつもりだったのだけれど、今これを書きながら『花束』の4巻を読んでいないのでは、という気がしてきました。少なくとも家にはその本はない。表紙のイラストにも見覚えがない。読んでいないのだとしたら読まなければ。
 とはいえ、『4』を読んでいないとしても全24巻、だいたい1500編ぐらいのショートショートを、僕はこのシリーズを通して読んでいる。これだけ多くの小説をまとめて読めるこのシリーズの存在は、とてもありがたいです。
 


 「二〇五九年」…二〇五九年、私は歴史を編纂する仕事をしている。今は二〇三九年に起きた出来事をまとめているところだ……。
 本書収録作の中でいちばん好きな作品。じつはそれほど進歩していない50年後の人類の生活、そして主人公の人間味に好感が持てます。同音異字語がたくさんある日本語だからこそ実現する、誤変換まみれの文章も笑える。いわば〈出オチ〉の作品なので、わずか2ページ弱という短さも良いです。

 「素晴らしい遺産」…科学者で資産家の九条宗一郎が死んだ。遺産相続人に指名されたのは四人の高校生。九条邸の地下室で、用意された映像を見ながら生活し、一ヶ月経てば遺産がプレゼントされるという……。
 星新一作品のような、正統派SFショートショートという印象。似たような作例は過去にもありそうですが、結末は読めませんでした。強いて難を挙げれば、相続人にその四人が選ばれた理由が、ちょっと弱いかな。

 「ゼンマイ仕掛けの神」…守はある日、みすぼらしい姿の老人が電車内に忘れていったかばんを拾う。そのかばんの中には地球儀が入っていた。その夜、守の部屋に老人が現れて……。
 こちらはファンタジックなSF(少し不思議)作品。変な老人と、その老人が持っていた地球儀という不思議アイテムが、平凡な主人公のごく普通の生活の中に入り込んでくる感じが秀逸。オチはもっと捻りのある何かを期待したんだけど、それは高望みと言うものかな。

 「僕と彼女の事情」…引っ越してきて二回目の土曜日。深夜に目が覚めてトイレに行くと、便器から若い女の頭が覗いていて……。
 ストーリーとしてどうと言うことはないけど、主人公と女の幽霊との、なぜか関西弁で繰り広げられる会話が面白い。久しぶりに小説読んでいて笑いました。ただ、けっこうストレートな下ネタがメインで、これといったオチも寓意性もないので、長いわりには中身のない話でもありますが。

 「カダカダ」…家の風呂場に虫がいた。家の周りで時々見かける虫だ。父に話すと、「ああ。カダカダみたいなやつだろ」……カダカダって?
 知らない言葉や知らない人を知ったかぶってしまったことがきっかけで、奇妙な世界に足を踏み入れてしまうという話は『ショートショートの広場』や『世にも奇妙な物語』でも良くあるパターン。「ズンドコベロンチョ」なんて有名ですよね(観たことないけど)。これもオチや展開にどうというところはないけど、「カダカダ」あるいは「カダカダみたいなやつ」という言葉が秀逸。これからは僕も、よくわからない虫を見たら、「カダカダみたいなやつ」と言っておこう。



 面白かった作品を5編ほど挙げてみました。ショートショートは幅広いジャンルを包括することができるものですが、やっぱり僕はSF系作品と、言葉遊びみたいな作品が好きですね。そういう意味で、「二〇五九年」はSFであり言葉遊びであるという、僕の好みにドンピシャリな作品だったのでした。読む人によって好みの作風やジャンルは違うでしょうが、全59編のショートショートが収められているので、きっとどんな人でも好みの一編を見つけられるでしょう。
 もっとショートショートを読みたいな、という気分に、久しぶりになりました。
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comments(0)|trackback(1)|読書|2013-11-17_00:24|page top

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ショートショートの花束5 ~総選挙と言い年一なのに早いなあ~
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行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
でもその“理”を支えているのは、実はすべて直感と思い込みだったりもする。そういう人。

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