闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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小説『舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵』歌野晶午

 地方都市・浜倉で起こる不可解な事件の数々。捜査に当たる刑事に事件解決のヒントを与えるのは、彼の小学5年の姪っ子?
舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵(文庫)<br />(光文社文庫)舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵(文庫)
歌野 晶午

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 地方都市・浜倉で刑事として働く舞田歳三。一人暮らしの歳三は、仕事帰りに大学の准教授を勤める兄の家に立ち寄るのが楽しみだ。兄には小学5年になる娘・ひとみがいるが、歳三は彼女との会話のなかから、たびたび事件解決の鍵を閃く。
 

 本格ミステリ大賞を史上唯一、二度受賞した歌野晶午氏の、さわやかタッチの連作ミステリ。『密室殺人ゲーム』シリーズで確立した、短編集でありながら、全体で一つの長編にもなっているという構成で書かれています。一つ一つの短編はそれぞれ独立したストーリーとして描かれますが、複数のエピソードが微妙につながっていたり、全体を通して一つの仕掛けが隠されていたり。
 地方都市・浜倉で起こる事件の数々は、もぐりで金貸しを営む老婆宅の放火殺人にはじまり、電柱にぶら下がった状態で見つかった中学生の変死事件、ベテラン市議会議員殺害事件、不法投棄された大型冷蔵庫に閉じ込められた大学生が救出後に事故死した事件、市議選女性候補者の毒殺事件、峠道で事故を起こした車のトランクから、拷問を受けたと思しき他殺体が発見された事件。いずれも警察の捜査では解決への糸口が掴めない事件の数々を、小学5年生の舞田ひとみが鮮やかに解決……というわけではなく、事件を解決するのはあくまでもひとみの叔父、刑事である舞田歳三。歳三は兄の理一と仕事帰りに晩酌したり、姪のひとみとゲームをしたりするのが楽しみで、頻繁に兄の家に訪れていて、そこでひとみとの会話の中から、事件解決のヒントをもらうというお話です。
 とはいえ、刑事である歳三が、いくら家族とはいえ小学生のひとみにそこまで事件の詳細な情報を語れるわけでもなく、ひとみの言葉が事件解決のヒントになるというのも、ひとみが事件を意識して発言しているわけではなく、何気なく言った一言を歳三が事件に結び付けて、それがきっかけで事件に対する見方がガラッと変わり、事件の全容が見えてくるというもの。その結びつけ方、閃き方は冴えすぎなぐらいで、ひとみよりむしろ歳三のほうが、探偵としての才能がありそうです。

 ミステリという観点でいうと、特別に凝ったトリックがあったり、衝撃的などんでん返しがあるというものではないので、やや物足りないかもしれません。最後に明らかになるある事実に関しても、それまでの話の中でその部分があまりフューチャーされていないので、突然前面に出てきて面食らうという感じで、ミステリとしての驚きという部分にはダイレクトにはつながらない気もします。
 ですが、いつも明るいひとみを筆頭にレギュラー登場人物たちの関係性は暖かくほほえましく描かれている一方で、事件を通して人間の表と裏を冷徹に見通していて、小説としては面白く読めます。なにより、タイトルロールが11歳のひとみであるということは、やはり大人と子供の向き合い方や、子供を取り巻く社会の状況を考えたいというようなことが、この小説のメインテーマだからなんでしょうね。

 ひとみの三年後を描いた続編『舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵』も出ていますし、作者はそのさらに三年後、17歳のひとみを描く構想も持っているそうです。ひとみの成長と変化がどのように描かれていくのか、続編も追いかけてみたいと思います。
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Theme:推理小説・ミステリー
Genre:本・雑誌

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行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
でもその“理”を支えているのは、実はすべて直感と思い込みだったりもする。そういう人。

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