闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

カレンダー

03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

月別アーカイブ

検索フォーム

広告!

ブロとも申請フォーム

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
HP Directplus オンラインストア
comments(-)|trackback(-)|スポンサー広告|--------_--:--|page top

小説『無貌伝~綺譚会の惨劇』望月守宮

 シリーズ4作目にして、初の連作短編集。三探偵のひとり、御堂八雲が催した〈綺譚会〉なる会合。そこに集った人々の口から、ヒトデナシと無貌にまつわる様々なエピソードが語られていく……。
無貌伝 ~綺譚会の惨劇~ (講談社ノベルス)無貌伝 ~綺譚会の惨劇~ (講談社ノベルス)
望月 守宮

講談社 2011-08-04
売り上げランキング : 545303

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 三探偵の一人・御堂八雲から、列車の旅に招待された探偵助手の古村望。〈綺譚会〉と称されたその集まりは、八雲に招待された人々が、ヒトデナシにまつわる事件の記録や体験談を語り合う場だった。代わるがわる語られるエピソードの中から次第に見えてくるのは、無貌を取り巻く〈魔縁〉たちの存在だ。そして最後には、この会を主催した八雲の衝撃の真意が明らかなる。いよいよ最終局面を迎えた望の戦い、その先に待ち受けるのは、勝利か、破滅か?
 
 


 シリーズ初の連作短編集。ヒトデナシにまつわる話という以外、それぞれの話にはあまり関連はなく、話の雰囲気も様々。比較的まっとうな謎解きミステリもあれば、江戸川乱歩の猟奇作品風の話もあったり、民俗学風のものもあるといった具合。ふと思ったのですが、作者はこのシリーズを通して、色々なタイプの小説を書く練習をしてるんじゃないでしょうか。
 このシリーズは、奇抜で荒唐無稽な設定やストーリー展開の中でも、僕ら普通の人間が共感できるような登場人物の葛藤や心の揺れが描かれているところが魅力です。本作でも「末期の酒」の中で描かれる親子の絆や自由への憧れ、「満月も今日で終わり」での挫折をきっかけに捻くれてしまう男の弱さや、屈託を抱えながらも心の底で通じ合う男同士の不器用な友情など、とてもリアルで共感できる部分だと思います。

 本作で初めて、望の前に秋津の助手を務めていた相原という男のことが語られます。単なる助手の域を超え、秋津探偵事務所のもう一人の探偵として活躍していたという相原。現在消息不明となっている彼の身に何が起きたのか。そのこともきっと、この後の作品で語られる重要なポイントとなるでしょう。
 他にも、今後の展開の布石・伏線となりそうなお話しや描写がある一方で、今回初登場した何人かの魔縁は終盤であっさり死んでしまったりして、少々残念なところも。ですが、一作目でヒロイン的な役割だった猫こと榎木芹が再び登場し、望と再会したことや、望のサーカス団時代の秘話が語られたところなどは、シリーズ一作目への回帰を思わせ、好感が持てます。
 ただ、作を追うごとに秋津や、なにより肝心の無貌の存在感がどんどん薄れていってるというのは、シリーズとしてどうなんでしょうか。次回作辺りでは、今まで溜めに溜めたものが爆発するような展開を期待したいものです。
 それにしても、本作の最後の方はまるで怪獣映画みたいな雰囲気になってます。魔縁の中でも最凶・最悪の存在である蜘蛛を相手に、秋津は、そして望は、どのように戦うつもりなのでしょうか。次回作のサブタイトルは「探偵の証」。さぞや格好良く、秋津が活躍してくれるのでしょうね?
無貌伝~双児の子ら~ (講談社文庫)無貌伝~双児の子ら~ (講談社文庫)
望月 守宮

講談社 2012-10-16
売り上げランキング : 257614

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

無貌伝 ~探偵の証~ (講談社ノベルス)無貌伝 ~探偵の証~ (講談社ノベルス)
望月 守宮

講談社 2012-10-04
売り上げランキング : 90827

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

無貌伝 ~夢境ホテルの午睡~ (講談社ノベルス)無貌伝 ~夢境ホテルの午睡~ (講談社ノベルス)
望月 守宮

講談社 2009-10-07
売り上げランキング : 582366

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

スポンサーサイト

Theme:推理小説・ミステリー
Genre:本・雑誌

HP Directplus オンラインストア
comments(2)|trackback(1)|読書|2014-06-30_04:22|page top

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

望月守宮 『無貌伝 綺譚会の惨劇』
無貌伝 ~綺譚会の惨劇~ (講談社ノベルス)望月 守宮 講談社 2011-08-04売り上げランキング : 391683Amazonで詳しく見る by G-Tools ----あらすじ---- 三探偵の一人・御堂八雲からの招待を受けた探偵助手の望。それは、ヒトデナシに関する経験談や事件を語り合う列車の旅への招待状だった。ヒトデナシに関わる話の中に、少しずつ見え隠れす...

コメントの投稿

非公開コメント

まいど
どうも。

tamacatさんのご指摘通り、シリーズが進んでも秋津と無貌の存在が薄いのが気になりますね。お話自体は凄く面白いので、そこだけが残念。

終盤のアクションはもはや推理小説とは思えないレベルになっていますが、強すぎる蜘蛛との対決はやはり必読。次回作もおすすめですよ。ちなみに次々作で完結の予定らしいのですが、そちらの情報は一向に出ず。。構想に時間がかかってるのかな?
>>峰川幸介三世さま。

毎度どうも。

裏で策略を巡らしたり、それとなく望を見守ってる風な秋津はともかく、無貌がだんだんただの脇役へ追いやられてるのは、ちょっとどうなのかと思いますね。

>構想に時間がかかってるのかな?

だいぶ風呂敷広げた感はあるからなぁ。本当にあと二作でまとまりますか?作者の手腕に期待ですね。

プロフィール

tamacat

Author:tamacat
行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
でもその“理”を支えているのは、実はすべて直感と思い込みだったりもする。そういう人。

参加ランキング

クリック感謝!

NetShop

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。