闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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映画『バンクーバーの朝日』

 第二次世界大戦以前のカナダ・バンクーバーに実在した、日系2世たちで構成された野球チーム「バンクーバー朝日」。差別や時代の波と戦いながら、日系人社会の希望となった彼らの、実話を基にした感動のストーリー。
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 20世紀初頭、希望を胸にカナダ・バンクーバーにやってきた日本人たち。安い賃金で勤勉に働く日本人は、現地のカナダ人の雇用を奪う敵と見做され、激しく差別される。そんな日系人たちが結成した野球チーム「朝日軍」。当初はささやかな楽しみとしてプレーしていたチームだったが、いつしか白人チームと混じって、かの地のリーグ戦に参戦するようになる。しかし、体格で劣る日系人は白人チームのパワーに太刀打ちできず、成績は万年最下位だった。折りしも日本軍が満州に侵攻するなど、世界情勢が不穏さの度合いを高める時代。もともとあった日系人への差別や排斥はますます増しつつあり、朝日でも仕事を失って野球を続けられなくなる選手が続出していた。
 そんな1938年、夏。このシーズンから朝日のキャプテンに就任したレジー笠原は、パワーに勝る白人チームに勝つための手段として、バントや盗塁を多用し、相手の守備をかき回す戦術を思いつく。この作戦が上手く嵌まり、この年のリーグで朝日軍は連戦連勝。その活躍は日系人社会に勇気を与えるだけでなく、斬新なプレースタイルが白人たちからも賞賛され、朝日はリーグ随一の人気チームとなっていく。

 映画『バンクーバーの朝日』公式サイト
 


 最初にこの映画の情報を見たのが何でだったか覚えていないのだけれど、ともかく初めてこの映画のことを知ったとき、すぐに「見たいな」と思いました。それは、野球が好きだから、というのが大きい。そして、戦前のカナダに日系人の野球チームがあって、日系社会だけでなく、現地の白人からも声援を受けていたという話が、実話ベースで語られているということに大いに興味をそそられました。ただ、映画公開直前になって観た予告編映像は、なんだか安っぽい感動の押し付け映画みたいな感じがしてしまって、見る前はけっこう不安も感じていました。
 それだけに、実際に観てみた映画が、いい意味で淡々としていて、爽やかで押し付けがましくない作品になっていたのは好印象でした。また、リアルに作りこまれた日本人街のセットやレトロな衣装を身にまとった登場人物たちの出で立ち(主要な日本人キャストだけでなく、カナダ人役の白人キャストたちも含めて)、軽快でJAZZYな音楽なども、とても雰囲気がよかった。なんだかとっても「映画的」で。これも上手くは言えないんだけど、とても「映画っぽい映画」を観たなぁと。こういう「映画っぽさ」って、今の日本映画(いや、アメリカ映画も、かな)ではあまり重視されないというか、けっこう失われつつあるもののような気がしますが、やっぱり映画の魅力とか映画が映画であることの意義とかアイデンティティみたいなものって、映画として「映画的」であることに他ならないと思うんです。(話はやや逸れるけれど、TVだって「TV的」であることがいちばんの価値だと思うし、視聴者から支持される番組ってやっぱりどこまでも「TVらしい」と思うんですよね。)

 不満はあります。主要キャストに野球経験者を揃え、こだわったはずの野球シーンに、イマイチ迫力がない。プレーのスピード感や間一髪のタイミングを争う緊張感が伝わってこない。それに、朝日軍の作戦にしても、ずっとバントしかしないなんてのは、いくらなんでもリアリティがないです。当時のリーグがどういう仕組みで、何チームで何試合ぐらい戦って優勝を決めていたのかわからないけれど、毎試合毎試合同じ作戦で勝てるほど、甘くはないでしょう。
 実際、ちょっと調べてみると、バンクーバー朝日というチームは1914年~1941年まで存在していて、1920年代~30年代にかけて3度もリーグ優勝するほど強いチームだったようです。この映画はバンクーバー朝日の歴史をぎゅうっと凝縮して、太平洋戦争が開戦する直前のわずか一年間の出来事として描いていますが、一年という時の流れは、2時間の映画で描ききるにはまあまあ長く、しかしバンクーバー朝日と当時の在加日系人の歴史を詰め込むには短すぎるので、ちょっと話の流れに無理があるような感じもします。

 戦争の影響で日本人が収容所に送られることになり、チームが解散するという結末は切ない。ですが、ことさら戦争の悲惨さを強調するわけでもなく、キャプテンのレジーとエースピッチャーのロイが「また野球やろうな」と言って、笑顔で別れる。野球が彼らの絆であり、共通の希望であり、何よりも娯楽だった、という描かれ方が、野球好きとしてはとても嬉しくて、悲しみや切なさよりも、爽やかで明るい余韻を残して幕を閉じる映画。エンドロールに少しだけ映る、実際の元朝日軍の選手・ケイ上西さんがとてもいい顔をしていて、そういうところもなんだか希望を感じさせる、いい映画なのでした。


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バンクーバーの朝日/全ては彼らから始まった
1900年代初頭、カナダに移住した日本人は厳しい差別に晒されながらも野球チーム朝日軍の勝利によって現地の人々に受け入れられていく。しかしそこで起こった第二次世界大戦はそんな彼らの努力を無に帰するものだった…。監督を務めるのは『舟を編む人』や『ぼくたちの家族』の石井裕也。主人公・レジー笠原を妻夫木聡が、チームメイトを亀梨和也、勝地涼、上地雄輔、池松壮亮らが演じている。
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