闘争と逃走の道程

負けっぱなしの人生ですが、いつも「最後に笑うのは僕だ」と、何の根拠もなしに信じています。

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小説『ショートショートの広場20』

 「小説現代」ショートショート・コンテストの入選作を集めた『ショートショートの広場』シリーズ、第20弾。1巻あたり50篇ぐらいの作品が収録されているとして、20巻で1000作ぐらい。シリーズ全巻読んでる僕は、ずいぶん読んだものだなぁ。
ショートショートの広場 (20) (講談社文庫 (あ4-39))ショートショートの広場 (20) (講談社文庫 (あ4-39))
阿刀田 高

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 初代選考委員の星新一氏が亡くなって、阿刀田高氏に代わったのが10巻の途中。ということは、このシリーズの本、〈星新一・編〉より〈阿刀田高・編〉の方が多くなったということか。時は移ろうものですね。
 
 しかし、さすがに20冊目ともなると、ネタ切れの感も否めないようで。ここ数作、「アッ」と驚くような衝撃の結末や、キレ味鋭いオチを有した作品というのは少なくなっているように感じます。そういった結末重視の作品に代わって、寓意性や雰囲気で読ませる作品が増えていっている。それは、もしかすると選者の阿刀田氏の好みも反映されているかもしれません。

 収録作すべてにコメントをつけることはできないので、気に入った作品をいくつか。

 「靴」…ひとつの状況が3人の視点から描かれるのですが、見えているものはどれも違う。どの視点が正しいのか、読んでもよくわからない。よくわからないまま流してしまうのがショートショートならではで、ちょっと不気味で悲しい雰囲気をかもし出しています。

 「教訓」…マイダス王の神話をモチーフにしたSF設定があり、いかにもショートショートらしい。「結末は読めるよな」と思って読んでいたら、その上を行かれた。かなり上出来の作品だと思います。

 「パパはサンタクロース」…解説の阿刀田氏も、タイトルで結末が読めてしまうことを指摘していますが、爽やかなファンタジー性があって、気分のよい作品。タイトルは「パパがサンタクロース」の方がいいんじゃないかな、と僕は思います。

 「壁抜け男」…登場人物の名前が英語の名前なのが気になる(日本で発表する小説なんだから、日本名でいいじゃないかと思う)けれど、内容は面白い。手品と超能力の区別がついていない人って、現実にけっこういるらしいですから。

 「ミスコン」…バカバカしいけど、ある意味「これぞショートショート!」という感じの作品かもしれない。短いし、オチも決まってる。毒を含んだブラックなオチは、実際にあったら笑えないけど。

 「ベストセラー」…これもバカバカしいけど、現実にありそう。地の分が一切なく、すべて会話でつづられていますが、作者はこのシリーズの常連の人なので、書き方はこなれていて上手いと思います。バカバカしい話を小説として読ませるのには、それなりの手腕がいるでしょうからね。

 「満月の夜」…地球を侵略しに来た宇宙人と双六で勝負する、という不思議なお話。「陽気で無邪気で、侵略者のくせにけっこういい奴」な宇宙人が楽しくて、ほのぼのした作品。オチはあんまり強くないけど、ちょっぴり切なげで、それでいて楽しげな、不思議な気分にさせてくれる読後感が好き。

 「自分本位な男」…それほどキレのいいアイディアじゃないけど、いい話。ちょっぴり泣ける、こういう話はショートショートというジャンルでは珍しいかもしれません。タイトルじゃないけど、この作品に感動した僕も、けっこう「自分本位な男」だったりして。

 去年、ショートショートの神様・星新一の生涯を描いた伝記『星新一 一〇〇一話をつくった人』という本がいくつかの賞を受賞しています。生涯で一〇〇一話のショートショートをつくった星新一の、知られざる一面が描かれているそうです…が、僕は未読。でも、誰よりも多くショートショートを書き続けた作家の内面、興味はありますね。
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comments(0)|trackback(0)|読書|2008-04-18_01:51|page top

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行動力なし、責任感なし、度胸なし。理屈っぽい。理に適わないことはきらい。
でもその“理”を支えているのは、実はすべて直感と思い込みだったりもする。そういう人。

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