小説『斜め屋敷の犯罪』

 島田荘司を読むのは二冊目。島田荘司の著作としても、これが二作目になるのかな?
斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)
島田 荘司

講談社 1992-07
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 前作『占星術殺人事件』で登場した名探偵、御手洗潔がふたたび登場するわけですが、その登場がかなり遅い。物語の3分の2ぐらいまで探偵が登場しない、ちょっと珍しい作品です。


 
 北海道・宗谷岬のはずれにある風変わりな建物、通称「斜め屋敷」。この風変わりな屋敷で起こる連続殺人事件が描かれます。最初の殺人事件が起こり、警察が乗り込んでくるものの犯人の見当がさっぱりつかない。翌日も、刑事たちが泊まり込んだにも関わらず殺人がおき、面子をつぶされた刑事たちは東京の警視庁にいる知り合いに協力を要請。その警視庁の刑事が現場に送ってよこしたのが、占星術殺人事件を解決に導いた“占い師”御手洗だった…という話。

 三人の被害者全員が密室状況の中で発見されるという、徹底的に「密室殺人」にこだわった作品で、特に二件目の殺人のトリックが本作のメイントリックとなるのですが、これは非常に大掛かり。よくこんなこと考え付いたなと思います。斜め屋敷という特殊な建物の構造がこのトリックの鍵を握っているのですが、僕は正直、この斜め屋敷の“形”を上手く頭の中に思い描けなかったので、答えを読んでも瞬時にはピンと来ませんでした。解答部分を三回ぐらい読み直し、本の最初のほうにある屋敷の見取り図を見たりして、なんとか理解できましたが。
 御手洗の登場が遅いので、彼や石岡の影が薄いです。その代わり、物語の前半はずっと、地元の刑事たち三人が捜査に当たりますが、この三人もキャラがかぶっているというか、いまいちどれが誰なんだか判りにくいようなところがあり、そんなあたりが不満ではあります。
 前作『占星術殺人事件』と同様、動機や人間関係うんぬんよりは、とにかくトリックが最大の売りという作品です。個人的には、もうちょっと“人”に寄り添ってほしい気もします。これだけの大トリック、これでその他の要素、人間ドラマ的な部分がしっかり作られていれば、ものすごい傑作だったろうなぁ、と思うのですが。
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テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌

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